2020年10月12日月曜日

F1 ホンダ撤退に思う事

 ホンダがF1から撤退することを発表した。

びっくりするとともに、ファンとしてホンダの無責任さに怒りが募ってきた。


ホンダはF1参戦終了と言っているがあえて撤退と言わせてもらう。ホンダの撤退理由としては、カーボンフリーに対応するためにF1で技術を磨いた人材を振り向けるためだとしている。だが、ホンダが撤退に至った最も大きいな要因は、エンジンを無償供給していたことだろうと思う。他のエンジンを供給しているメーカー3社はそれぞれワークス体制としている。それは、参戦コンストラクターにはFIAから参戦費用が出るからだ。


ところが、エンジンだけの供給ではいくら優勝しても、上位入賞してもホンダには一銭も入らない。いわば名誉だけだ。宣伝広告費としてはF1参戦は全然ペイしないだろう。


F1からは撤退するのにインディーカーレースには2030年までエンジンの供給をすると言っているのは、多数のチームと契約し当然その代金をもらっている。つまり、エンジンを売っているから成り立つのだろう。それに、エンジン供給チームがF1どころではないくらい多いので辞めたくてもやめられないだろう。それこそ無責任すぎる。


なぜにF1ではエンジンは売れなかったのか、それは出来が悪すぎたことと、最初のチームマクラーレンとは無償契約だったからだろう。確かにあの品質では有償とはいかなかっただろう。全く実績もないわけだから。おそらく、ホンダの思惑としては、とりあえずマクラーレンと実績を積んで、競争力が上がってきたら有償で他チームと契約するというシナリオだったかもしれない。


しかし、やってみるとチーム(マクラーレン)の問題もあるとはいえ、性能が出ないエンジンで、結局3年で契約は切られてしまった。その時に撤退すれば、まだよかったはずだが、トロロッソとの契約が続いた。これは、いわば品質の低いエンジンなので当然無償提供となったのだろう。そして、なんとか使えることが分かっても、助けてもらったからには、レッドブルと有償契約とはいかなかった。


結局、優勝したりはしたが、高機能なエンジンを無償提供しかできなかった。そのコストは、現状の業績悪化のホンダにしてみれば、真っ先に削られるべくして削られるものだ。ある意味2チームへのエンジン供給は、負担の増大になったのかもしれない。


こう考えると、ホンダのF1参戦は間違いだらけだった。


まずは、あまりに初期バージョンのエンジンの性能が悪すぎた。これは、現状のF1エンジンの難しさを甘く見ていたのかもしれない。


次は、マクラーレンとの契約破棄の時に撤退しなかったこと。ここで撤退しておれば、ひどい性能しか出せなったかという不名誉の影響はあるだろうが、費用的には無駄を省けたうえに、それこそカーボンフリーパワーユニット開発で使えるエンジニアは残ったはずだ。


3つ目は、最もひどい間違いというか身勝手なことだが、数回優勝したことで名誉は挽回されたことをもって撤退することを決め、エンジン供給しているF1参戦者(この場合はレッドブル)に非常な不利益を与え、そしてこのような身勝手な会社だという事を公にしたことだ。

その上、優秀なエンジニアの多くをF1の他チームに移籍されられてしまうかもしれない。現状F1でがんばっているエンジニアの中には、F1の為にホンダに入った者もいただろうし、チャンピオンを取るという本来の目的をかなえずに、他の仕事に回れといわれても納得できない者もいるだろう。その上性能がある程度証明できたという事は、そのエンジニアの性能も評価されるという事でもあり、それなりのオファーもあるだろう。

また、F1への昇格が噂されている角田への影響も大きい。角田はホンダだけではなく、レッドブルの支援プログラムも受けている。実力でF1に上がれるからホンダの撤退とは無関係だという人もいる。しかし、F1パイロットは、実力だけではなれないのが現実だ。世の中た実力が有っても、F1パイロットになれない、もしくはその地位を失くしてしまうドライバーはざらにいる。2つの会社から支援を受けているのと、1つだけになるのは全然違うだろう。もちろん、F2でチャンピオンになれば、その可能性は高くなるのは間違いない。しかし、それはF1でもそうだが、ドライバーの実力だけでは取れない。チーム力も必要だ。だから、1つでも多くの支援者が必要なのだ。その点では、ホンダの功罪は大きいと言わざる負えない。

レッドブルも、他メーカーからエンジンを供給してもらう事になればエンジン代金を支払わなくてはならない。ならば、ホンダに続けてもらうために、代金をしはらうか、優勝1回に付きいくらのボーナスを支払うなどの契約はできなかったのだろうか。ホンダが嫌がったのか、レッドブルが代金を支払ってまで維持するものではないと思ったのかは不明だが。だが、続けてもらうのには有償とするのが一番だ。代金を取っておいて、辞めますは、それこそ無責任だからだ。そういう意味では、無償提供を受けたことで、勝手な撤退を飲む羽目になったともいえる。


再来年からは、何を楽しみにF1をみればいいのかわからなくなって来た。寂しいことこの上ない。

F1を見るモチベーションが下がってくるファンへの影響度がもしかすると一番大きい撤退劇だったかもしれない。




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