しかし、PCの中で一番低速なバーツはハードディスクなのでこれがさらに高速化できれば、動作速度は実はもっと上がる。何しろ、CPUからすると低速なメモリでさえ50GB/s程度の転送速度があるのに対して、せいぜい500MB/s(0.5GB/s)程度と1/100にしかならないのだから。
そこで、出てきたのが、PCI Express(PCIeと略す場合がある)インターフェイスカード型のSSDだ。これだと、リンク数やバージョンでも変わってくるが、PCI Express 3.0 x1で、10Gbps程度、PCI Express 3.0 x4なら、その4倍で40Gbpsという帯域となる。Serial-ATAの6Gbpsに比べたら、相当に早い。これは、SSDをPCI Expressインターフェイスに直付けするNVMe(Non-Volatile Memory Express)規格で作成され、帯域は32Gbpsと超高速だ。しかし、高価だった。
最近話題となっていてるのが、M.2のSSDだ。PCとのインターフェイスは、Serial-ATAもしくは、PCI Express 3.0 x4となっている。注目は、PCI Express 3.0 x4接続のほうだ。
これも、NVMe規格で作られている。最近では、3000MB/sというとんでもない転送速度のM.2 SSDも現れている。通常のハードディスクの代わりに使われている2.5インチSSDの6倍もアクセス速度が速くなっているのだ。
しかも、フルサイズのPCI Express カードと違いM.2 SSDのサイズは非常に小さいこともあり、安価だ。そのため、一気に普及してきつつある。
そこで、そのM.2 NVMe SSDを購入して試してみることにした。
ただ、私の持っているPCは古く、Serial-ATAでさえバージョンが2で3Gbpsだし、PCI Expressも2.0(3.0の半分)になっている。それでも、PCI Express 2.0 x4ならば、20Gbpsの転送速度があるわけで、Serial-ATAよりも高速だ。ただ、古いこともあり、最近のマザーボードに付いているM.2のソケットは付いていない。
それで、M.2 をPCI Expressインターフェイスに変換するカードも購入した。
これで、ストレージが高速化されれば、古い私のデスクトップPCもまだ延命できるかもしれない。最近では、電源を入れてからWindowsのデスクトップ画面が表示されるまで、数分かかっている。デスクトップが表示されてからも、HDDのアクセスランプは点灯しっぱなしで、これが収まるまでは操作できない状態なのだ。
購入したのは以下のもの。
インテル SSD 600pシリーズ 256GB M.2 PCIEx4 | 玄人志向 STANDARDシリーズ PCI-Express x4接続 M.2スロット増設インターフェースボード M.2-PCIE | アイネックス チップ用マルチヒートシンク HM-19A |
右の4つの四角いものは、ヒートシンクだ。高速でアクセスされるM.2 SSDは発熱してアクセス速度が低下するという話があるので、その熱を放熱するためのバーツだ。
購入したSSDはIntel製でM.2 PCI Express接続としては最も安価だった。性能を調べてみると、読み込み1,500MB/s程度、書き込み500MB/sの性能で、M.2 NVMe SSDとてしはかなり低速なほうだ。しかし、マザーボードが古いので、この程度の性能で十分なはずだ。
このM.2 SSDは品不足と最近の円高もあり、急激に価格が上がってきている。私が購入したときは、在庫が無くて数週間待たされだが、そのおかげて1万円少々で購入できた。しかし、昨年は1万円を切る価格だったのだ。
これが届いたSSDとヒートシンクだ。
容量は256GB。
こんな感じて入っている。
取り出してみた。
私の手と比較するとかなり小さいものだと分かるだろう。デスクトップ用メモリよりも小さい。
一緒に購入したPCI Expressカードに刺した。
付属のねじで止めた。
ヒートシンクには、1枚の大きな熱伝導両面シールが1枚入っていたので、それを4つに切り分けた。
そして、それを使ってチップの上に張り付けた。
これが、私の古いPCの中身。刺さっているカードは、ビデオカードのみだ。
ついでに、余っている2.5インチサイズのSSDも取りつけることにした。
M.2 SSDは、PCI Express x16のスロットに刺した。PCI Expressは、x16にx1でもx4のカードでも刺せる仕組みだ。
2.5インチSSDは、通常のHDDよりも高速だから、テンポラリーとして使おうと思った。
そして、起動してみたが、M.2 SSDはBIOSで認識されなかった。そのために、起動ディスクにすることができなかった。がっかりだ。既存のHDDから起動してみたところ、Windowsが起動するとM.2 SSDが認識されて使えるのを確認した。
試しに、アクセス速度を計測してみたら、シーケンシャルリードで1,500MB/s程度も出ていて驚いた。これは速い。マザーボードが古いので、もっと遅くなるのではないかと思っていたのだ。試しにちょっとしたファイルをHDDから転送してみたが、かなり速く転送された。気持ちいい。
BIOSで2.5インチのSSDは認識されたので、これにとりあえずWindows をインストールして使おうと思っていた。
口コミでは、今回買った構成で私の持っているPCと同じ古いものでも使えたと有ったので期待していたのだが。
それで、新しいBIOSが出ているかもしれないと、調べてみると私のPCのBIOSが2010年のものだったのに対して最新の物は2013年版があった。それで、希望を抱いて、BIOSをアップデートしてみた。しかし、M.2 SSDはやはり認識されなかった。
Windows が起動してからは認識されるのでハード的な問題ではなく、やはりBIOSの問題なのだろ。
ところが、このアップデートしたBIOSが曲者で、アップデート後CPUファンが100%の高速回転のままになってうるさい事この上ない。
もともと、コールドスタートでは時々起動しないことがよくあったのだが、リセットしたりしたら起動していたので、そのまま使い続けていた。これを新しいBIOSはシステムエラーだとして、起動しなくなってしまった。なんども、再起動してたら、とうとう全く起動しなくなってしまった。とうとう、画面は真っ暗でビープ音が3回鳴りつづけるだけになった。
調べると、3回のビープ音は、メモリエラーとのことだ。
メモリーを差し替えたりしてみたが、そのうちブザーさえもならなくなってしまった。
もちろん、マザーボードの電池を取り外すCMOSクリアなども試した。
さらに、電池も交換してみたがまったく効果なし。おそらくは、BIOSが問題なのだろう。起動しなければ、手の施しようがない。
万事休すだ。
調べると、このPCは、なんと2008年に組んだものだった。8年以上も前のものだ。PCの世界では大昔だ。
このPCは、CPUが6コアのXeonで、古いとは言ってもビデオ編集はもとより、ブログの更新で活躍していたので、なくなると困ったことになる。このPC以外は皆安価なCPUしか乗っていないのだ。とても、ビデオの編集ができるほど処理が速くない。
考えてみれば、サーバーは何度かパーツを購入して組み立てたが、デスクトップは8年以上も更新してなかったのだ。CPUは、Core i7 920からXeonに変わっているが。
これは、買い替えするしかないのかもしれない。延命するつもりが、とどめを刺してしまった気がする。まぁ、気持ち的には、そろそろ更新しなければと思っていたのは事実だったのだが。
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