とにかく、早く三崎港に到着しようと、走り出した。
だが、一旦日が照るところにでると、日が傾いている分、太陽が直接目に入ってきてまぶしい。
身体の濡れは、だいぶ乾いてきた。それでも、下着はまだ十分に湿っているので、走行風で冷却剤の役目はしてくれていた。
そして、問題の町中に入ってきた。ここから佐田岬半島に入るまでは、車が多くペースが上がらない。ここを無料の自動車専用道路などを通ってなるべく迂回しつつ走る。18時頃までに三崎港に着けるかぎりぎりだ。
なんとか、町中をくぐり抜けた。佐田岬半島の入り口まで来た。
佐田岬半島の197号線は、信号もなく、いいペースで走れる。ここまで来れば、18時までになんとか着けるかもしれない。
しかし、前の車が気になる。赤い回転灯を点けながら、ミニパトが走っている。
いやな予感は的中した。佐田岬半島に入っても、ミニパトは前を走り続けていた。ミニパトの前を走っていた数台の車は、徐々に距離を開けていき、見えなくなった。
登坂車線になっても、当然だとろとばかりに一般通行車線を平然と、走って行きやがる。
なにしろここの制限速度は、50km/hだ。なぜに50km/hなのか不思議でならない。急なカーブもなく、見通しも良くて、とても走りやすい道なのに。そして、ミニパトは、まさしくその速度で走っているのだ。登坂車線に移る理由はないと言えば無い。しかし、ミニパトよ! 後ろに車の行列ができているのが見えないのか。とヘルメットの中で毒突いた。バックミラーを見ると、長い行列ができていた。
正直いらいらした。このままで行くと、18時の到着は難しくなる。
そういえば、行きにも、パトカーを見たのを思い出した。恐らく、信号もほとんど無いこの道路で、速度が上がるのを予防するために、定期的にパトライトを回転させながら走っているのだろう。
それに、たまたま出くわしたのだ。後、一台分前を走っておれば、ミニパトに引っかからなかったものを。何という不幸。このままでは、うまくいっても、18時20分くらいにしか着かないだろう。後、もうちょっとで一つ前の便に乗れたというのに。これで1時間近く港で待つことになってしまう。
しかし、幸いにも、三崎港まで後15km程度というところで、ミニパトが左折してくれた。
前には全く車がおらず、急なカーブもなく走りやすい。気持ちいいペースで走りまくった。
そして、三崎港に到着した。時計を見ると18時8分だった。まだフェリーは来ていなかった。
係員から、「はい、18時半の便ね、5番に止めて」と言われた。間に合った!
慌てて、乗船手続きをした。
受付の建物から外に出ると、フェリーは到着しており、係員からバイクは一番最初に乗船しますから準備くださいといわれた。時計を見ると18時14分だった。
そして、なんとか乗船できた。18時半の便に乗れたのは大きい。到着は19時40分だから、22時過ぎにには帰宅できるかもしれない。暗い高速でペースが上がらなかったとしても、23時までには確実に戻れるだろう。
行きとは変わって、日差しも無いので、展望室に陣取って、仮眠を取ることが出来た。
考えてみれば、姫鶴平でソフトクリームを食べてから、飲み物以外口にしていない。腹が減っていてもおかしくないが、あまり空腹感は無かった。
それよりも、休めたのが大きい。
到着間近、日が沈んで、空が帯状に赤く染まっているのが見えた。
そして、間もなく到着だ。港の灯りが見える。
下船した。思った以上に暗い。
走り出すと、ミラーシールドなのを思い出すことになった。周りは真っ暗でほとんど見えない。
前の車についてゆっくりと走った。
走行メーターを見ると、すでに300キロ近く走っていた。このまま高速にのると、ガス欠する危険性がある。
丁度、明るいスタンドが見えたので入った。恐らく、後100kmちょっとだろうから、5リットルも足しておけば大丈夫だろうと、ガソリン量指定で入れた。意外に低価格で128円/リットルだった。
ただ、ミラーシールドの為に、高速でよく見えないと困る。大丈夫だろうかと、心配になった。
まあ、よく見えなかったら、なるべくゆっくり走ればいい。それでも、信号がない道路だ、下道走るよりも早く着けるだろう。
ということで、大分宮川内ICより、高速に入った。
SAや、ICあたりは、照明が多数有るので、道がよく見える。
しかし、それ以外では、真っ暗だ。
ただ、意外に不安はあまり感じなかった。というのも、カーブがあると、必ず反射板が連続的に光って、上の写真のように、どちらに道が曲がっているかわかりやすいのだ。
上の写真では、この先右にカーブしているのがわかる。
昼間だと、トンネルに入ると暗いが、夜は逆だ。トンネル内がとても明るく感じる。目がだんだん暗さに慣れてきたのだ。なので、写真で見るよりも実際にはもっとよく見えていた。
夜の高速は、意外に走りやすかった。というのも、暑くないのだ。丁度いい程度の気温で、メッシュジャケットを着ていると、風も良く通り、気持ちよく走れる。
真夏のツーリングは、昼間走るのは地獄のようだが、夜走るというのは、ありかもしれないと思った。暗いというネガがあるが、それ以上に楽に走れるのだ。
そして、到着。一般ゲートに入り、ETCで精算して、ETC割引にしてもらった。
だが、一般道に降りると、かなり暗い。シールドを上げて走った。シールドを上げると全く問題無い。
夜走るのなら、当然のことながらシールドは透明なのがよいだろう。これだけは気にしておいた方が良い。
そして、自宅に戻ってきた。
荷物を下ろすなどの作業をしてから、
メーター内の時計を見ると、9時54分だった。恐らく、9時50分頃には着いていたのだろう。
走行距離を後で計算してみたら、598km走っていた。後日ガソリンを入れて計算したら、燃費は29.95km/lだった。ほぼ、30km/lだ。この燃費は、ゴールデンウィークの時の燃費とほぼ一緒だった。
598kmというのは、1日で走った距離としては、私の新記録だ。そして、朝の6時から夜の10時まで、16時間のツーリングだった。
ただ、フェリーを使っているので、待ち時間と乗船時間の4時間近くは、事実上休んでいる時間帯だ。
今回のツーリングは、この休む時間があったことと、土砂降りの雨に出会ったことが勝因だ。雨をいやがっていたが、真夏のツーリングでは、意外に良い効果が期待できると、初めてわかった。
YBR250の事故以来、1ヶ月以上もツーリングしていなかったが、今回のツーリングを十分楽しんだ(暑さに苦しんでもいたが)。それにしても、日帰りで、四国カルストに行けるのだなぁ。思ってもみなかった。
もういい年だが、特にぐったり疲れたという感じてもなかった。意外にいけるというのが感想だ。
もちろん、こんな前日の夜に思い立って、600kmも走るというのは、無謀で推奨できない。絶対にまねしないで貰いたい。わたしも、またやれといわれても出来るかわからない。たまたま偶然が重なって出来たことだ。
とにかく、長い1日だった。泊まりのツーリングくらい濃い内容のツーリンクだった。それだけに、満足感も大いにあった。いままで、ソロツーだと漫然と走ってしまうことが多かったが、イベントが色々あって良い思い出になりそうだ。
たまには、こういう弾丸ツーリングも良いかもしれない。
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