MT-09の軽さや、エンジンの吹け上がり、パワー感など友人のバイクで実感していたが、大きな問題はウインドプロテクションだ。そして、荷物の積載性だった。
そのときに、MT-09の派生モデルとしてこのMT-09 TRACERが発表されて、そのすばらしいスペックと価格に驚いた。その上ヘッドライトは、LED化され、パニアケースが付けられる構造、タンク容量の増加、メンテナンスに欠かせないセンタースタンド標準装備、さらにシガーソケットまで付いている。もう、私が必要とする装備の殆どが付いている。後は、パニアケースとトップボックス、グリップヒーターを付ければ良いだけだ。
こんな私の希望にばっちりなバイクはもう無いかもしれない。
そんなときに友人から試乗会が開催されると聞いてなんとしても参加したいと、なんとか都合を付けて参加したのだった。
試乗会場の受付前に、跨がれるMT-09 TRCAERが置いてあり、じっくりと実車を見ることが出来た。一番心配だったのは、シート高が845mmも有ることだった。果たしてちゃんと跨がれるのだろうか。
しかし、跨がってみると、数値よりも低く感じた。ちゃんと両足が付く。
そして、実際に試乗車に乗ることが出来た。
第一印象は、やはり、シートはそんなに高くないというものだった。昨年試乗したKTMのRC8は、跨がる前に足が上がるかなとちょっと躊躇したし、私より身長の低い友人は試乗を取りやめたものだったが、その軽さ故に意外に乗れて驚いたものだった。
それに比べると、シート高に関しての威圧感は殆ど無かった。
跨がっても同様だった。左足だけで足を着けば、ぎりぎり踵まで着く。2cm短い右足だけでは、さすがに踵を付けることは難しく、やや不安定だ。Bandit 1250Sでの転倒3回はすべて短い右側に倒れている。
そういう意味では、路面が傾いている場所では、右足で支えるのにはちょっと心配だ。
まずは、試乗の様子をビデオでご覧いただこう。
試乗コーズか短くて、あっという間に終わったのは残念だった。しかし、バイクはMT-09そのものに感じた。20kgの車重増加はあまり気にならなかった。確かに、シケインではややきつく感じたが、シートも高くて重さばかりが影響したとは言えない。
エンジンはBモードとはいえ、十分なパワーがあり、こんな狭いコースではその性能を発揮するのは難しい。
ウインドプロテクションは、十分で、殆ど風圧を感じなかった。小さめだが、十分なシールドだ。
試乗後の感想としては、もし、すぐに購入できるのであれば、欲しいと思った。
だが、NC700S DCTのイージーで、そこそこのパワーの絶妙感は改めてすごいとも思った。ただ、バイクとしてのステータスシンボル的な部分が殆ど無く、排気音も静かで、持つ喜び感が少ないのが欠点だ。大型だが、実用車的なのだ。それでも、このイージーさと私に丁度良い動力性能は捨てがたいものがある。重心が低くて転ける気がしないのも良い点だ。
MT-09は、重低音の排気音で、男性的だ。パワーはNC700Sの倍以上もある。NC700S程では無いが、低速からの豊かなトルクが有り、それを上品にまとめ上げている。その上、回したときの気持ちよさは格別だ。風の影響も無く、ハンドルにシールドが固定されていないので、横風やトラックの後ろの風の乱れでハンドルが取られることも無い。
MT-09を乗ったときにも思ったが、本当にNC700S、MT-09 TRACERの2台欲しい。
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