2日目の朝は、川の音で雨が降っているのかさえわからなかった。朝食を7時にお願いしていたので、6時頃起床。荷物をまとめて、着替え。バイクを取りに外に出た。
道は濡れておらず、今朝方雨が降るという予報は外れたようだ。ただ、時折雨粒が顔にかかる程度だった。バイクも屋根のあるところにおいていたこともあり全く濡れていなかった。玄関先までバイクを持ってきて、荷物も玄関に置いて、いつでも積めるように準備してから、食堂に行った。
朝食は、シンプルだが、卵も付いており、このほかに味噌汁と丼飯が付く。今回も量が多くて、飯は半分くらい残してしまった。申し訳ない。
おかみさんが、窓の外に設置してある小さな小屋のようにところに、ときおり小鳥がやってくると説明してくれた。近づいてみると確かに小鳥がやってくる。しかし、動きが半端なく速いので、写真に撮るのは困難だった。実際上の写真でも、左中央に小鳥が写っているのだが、わかるだろうか。動きが速くて、半分透明になってしまっている。全くじっとしていないのだ。昨夜同様に、おかみさんが色々と話してくれる。その為出発は8時近くなってしまった。
ご主人の話では、朝のニュースによると今日の天気は、一日中雨になっていたと話してくれた。また、「この天気だと、四国カルストはきっと真っ白だろう」との事。そういうと、「気を付けて」と仕事に出かけて行った。
バイクのところに行くと、雨脚はやや強くなっており、すでに濡れていた。
荷物を積んで出る頃には、すでに雨は本降りになっていて、合羽を着こんでの出発となった。雨にもかかわらず、おかみさんが出てきてくれて見送ってくれた。
一人だったこともあるだろうが、色々とこの地方の事などを話してくれ、手厚いもてなしをしていただいた。暖かい故郷のように居心地だった。かなりの山奥なので、また来れるかわからないが、また来たいものだ。真夏にきたらきっと涼しくて過ごしやすいだろう。また、このK57を奥に行くと、小田深山の渓谷が見れるらしい。そこにもゆっくりと見に行ってみたい気がした。
昨日通ったK57をR440に向かって戻る。雨は本降り状態。道はところどころ川状態になってしまっていた。滑るので、慎重にゆっくり走る。
時計を見ると、気温13度。
カッパを着ていたるので寒くはない。
途中の橋で、止まって川を撮った。岩がごろごろしている景観が素晴らしい。おかみさんが、雨の日には雨でしか見られないものもある。わざわざ雨の日に写真を撮りに来る人もいる。と話してくれたのを思い出した。
橋の反対側だ。こちら側が四国カルストだが、もうすでに白く霞んで見える。
時刻は、8:20なのに殆ど進んでいない。
写真に撮り忘れてしまったのだが、この道をゆっくりと走っていたら、突然トラックに出会った。こんな細い道によくも入ってこれたものだ。トラックは、狭いカーブをなんどもスイッチバックしながら通り抜けようとしていた。バイクでも全くすれ違えない。こんな狭いところだが、木を運ぶトラックがK57を走ってくるとおかみさんが言っていたが本当だった。
やや、下り坂だったこともあり、重いBandit 1250ではとてもバックできない。狭いのでUターンもできない。一旦降りて、バイクをなんとか戻して、少し広くなっているところに止めたが、カードレールとはもうがりがりと擦っている状態だ。その横を慎重にトラックが通り過ぎていく。こんな時には、リアのバニアケースが邪魔だ。ハンドルよりもかなり幅が広いので、ハンドルが通ってもケースが引っかかる。さすがにこんな道を走るトラックの運転手だ、なんどか切り替えして離合することができた。こちらは、全く動けないので、ただただガードレールにバイクを押し付けるだけだった。
それにしても、もしもこの狭い道を車で来てトラックと遭遇したら、万事窮すだろう。狭くてグネグネまがっていて、とてもバックできる状態ではない。
やっと、R440に出て、少し走ったところで、トンネルがあった。
そこで、一旦止まって、出発の時に準備できなかったナビなどの装備を取り付けた。雨が降っていると装備の出し入れもしにくいので、雨の防げるトンネルは便利だ。こんなことをしていても、車は一台も通らなかった。
そして、R440からR383に入った。
ここから四国カルストだが、雨が降っており、前方は霧でよく見えなくなってきた。
そこを、2台のバイクが通り過ぎて行った。
姫鶴平に着いた。
しかし、後ろを見ても。
横を見ても。
前を見ても。
真っ白で、景色は何も見えない。店も準備中の張り紙があるだけで、電灯もついていないうえに、人気がある様子もない。
さらに少し走ると、風車が見えたが、本当に近くまで来ないと分からなかった。
さらに進むと、カルスト台地らしい石灰石が見えた。
気温は、9度まで下がっている。さすがに手が冷たくなってきた。当然ながらグローブはぐっしょりだ。
そこから下って、ここからは、地図にもあまり乗っていない大規模林道 東津野城川線(東津野・城川東区間)に入る。ツーリングマップルでも詳しくは載っていない道だ。最新のナビには山道の様に1本の線として記載があった。
だいぶ下ってきたこともあり、霧も晴れてきて雨も小降りになってきた。
林道は、車が全く走っておらず、整備されたいい道だ。しかも、カーブ具合が丁度いい感じなので、とても走りやすい。晴れだったらきっと楽しかったに違いない。雨で路面が濡れているので、ペースは上げられないが、K57のような酷道ではない。
林道を抜けて、R197に入る。ここで、左折する。
途中で、こいのぼりが沢山上げてあった。四万十川でも同様の事をやるらしい。九州で言うと杖立温泉が有名だ。ここからすぐに右折して大規模林道 清水東津野線(檮原・東津野区間)に入るのだが、入り口が分からずに通り過ぎてしまった様だった。
それで、Uターンした。道の駅が4キロ先にあるが、この看板のすぐ先に大規模林道 清水東津野線(檮原・東津野区間)への入り口を見つけた。そこから左折した。
途中で、かなり長いほぼ直線のふるさと林道 初瀬東西トンネルがあった。トンネルを抜けて少し行くと、K26にぶつかる。ここを左折する。この道は、細くてグネグネしていた。そして、R439にはいる。
こちらは、本当に山の中という感じだった。時折狭い道もあった。
ナビは、このままR439を行くように勧める。
が、事前の予定とおりここを左側のふるさと林道 松原・中津川線にはいる。
入るとすぐに欄干があり、深い谷を流れる川が見えた。四万十川の上流にあたるのだろう。
さらに進んで、ゆす原から再びR439に入る。しかし、とても国道には見えない。しかし、そのまま走っていくと、やがて道幅も広がってきた。
すると、突然鉄道の陸橋と、沈没橋が見えてくる。四万十川流域に入ったようだ。かなり高さがあるので、ここはこのまま通り過ぎた。
ここでも、こいのぼりがかかっていた。
駐輪場には何台かのバイクや自転車が止まっていた。ここで、初めて合羽を脱いで、一息ついた。
道の駅の裏には、四万十川が流れていた。
なぜか不似合いな、フギュアなどが飾ってある。ここで飲み物を飲んだり、地図を調べたり、ゆっくりと休んだ。12時近くになっていたので、昼食を取ることにした。
ここには食堂があった。
メニューだ。色々とあるようだ。
日替わりがあった。数量限定ということもありこれを食することにした。
思った以上にボリュームがあった。一口カツが5キレほどもあり、その上に野菜あんかけが乗っている。漬物や煮物も大変おいしかった。周りを見るとほとんどの人が同じ日替わりを食べていた。800円は非常にリーズナブルだ。お勧めのランチだが、毎日同じメニューではないだろう。
朝から、雨の中を3時間以上走ったが、ペースも遅く、道が分からなくなることもままあったので、そんなに走ったという感じはしなかった。ただ、雨もだいぶ止んできたので、このまま天気は回復するのではないかと期待していた。それで、少し長めに休んで、雨が完全に止むのを待つことにしたのだ。
しかし、止むどころか雨は無常にも小雨ながらより強く降りだした。
つづく。
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