2017年2月21日火曜日

M.2 SSDを買ってみた

ハードディスクに比べて高速なSSDだが、インターフェイスがSerial-ATA 3なので6Gbpsの帯域だ。そのため、速くても550MB/s程度にとどまる。とどまると言っても、HDDがせいぜい200MB/s程度なので500MB/sを超えておれば十分に高速だ。

しかし、PCの中で一番低速なバーツはハードディスクなのでこれがさらに高速化できれば、動作速度は実はもっと上がる。何しろ、CPUからすると低速なメモリでさえ50GB/s程度の転送速度があるのに対して、せいぜい500MB/s(0.5GB/s)程度と1/100にしかならないのだから。

そこで、出てきたのが、PCI Express(PCIeと略す場合がある)インターフェイスカード型のSSDだ。これだと、リンク数やバージョンでも変わってくるが、PCI Express 3.0 x1で、10Gbps程度、PCI  Express 3.0 x4なら、その4倍で40Gbpsという帯域となる。Serial-ATAの6Gbpsに比べたら、相当に早い。これは、SSDをPCI Expressインターフェイスに直付けするNVMe(Non-Volatile Memory Express)規格で作成され、帯域は32Gbpsと超高速だ。しかし、高価だった。

最近話題となっていてるのが、M.2のSSDだ。PCとのインターフェイスは、Serial-ATAもしくは、PCI  Express 3.0 x4となっている。注目は、PCI Express 3.0  x4接続のほうだ。
これも、NVMe規格で作られている。最近では、3000MB/sというとんでもない転送速度のM.2 SSDも現れている。通常のハードディスクの代わりに使われている2.5インチSSDの6倍もアクセス速度が速くなっているのだ。

しかも、フルサイズのPCI Express カードと違いM.2 SSDのサイズは非常に小さいこともあり、安価だ。そのため、一気に普及してきつつある。

そこで、そのM.2 NVMe SSDを購入して試してみることにした。

ただ、私の持っているPCは古く、Serial-ATAでさえバージョンが2で3Gbpsだし、PCI Expressも2.0(3.0の半分)になっている。それでも、PCI Express 2.0 x4ならば、20Gbpsの転送速度があるわけで、Serial-ATAよりも高速だ。ただ、古いこともあり、最近のマザーボードに付いているM.2のソケットは付いていない。

それで、M.2 をPCI Expressインターフェイスに変換するカードも購入した。

これで、ストレージが高速化されれば、古い私のデスクトップPCもまだ延命できるかもしれない。最近では、電源を入れてからWindowsのデスクトップ画面が表示されるまで、数分かかっている。デスクトップが表示されてからも、HDDのアクセスランプは点灯しっぱなしで、これが収まるまでは操作できない状態なのだ。


購入したのは以下のもの。

インテル SSD 600pシリーズ 256GB M.2 PCIEx4 玄人志向 STANDARDシリーズ PCI-Express x4接続 M.2スロット増設インターフェースボード M.2-PCIE アイネックス チップ用マルチヒートシンク HM-19A


右の4つの四角いものは、ヒートシンクだ。高速でアクセスされるM.2 SSDは発熱してアクセス速度が低下するという話があるので、その熱を放熱するためのバーツだ。

購入したSSDはIntel製でM.2 PCI   Express接続としては最も安価だった。性能を調べてみると、読み込み1,500MB/s程度、書き込み500MB/sの性能で、M.2 NVMe SSDとてしはかなり低速なほうだ。しかし、マザーボードが古いので、この程度の性能で十分なはずだ。

このM.2 SSDは品不足と最近の円高もあり、急激に価格が上がってきている。私が購入したときは、在庫が無くて数週間待たされだが、そのおかげて1万円少々で購入できた。しかし、昨年は1万円を切る価格だったのだ。

これが届いたSSDとヒートシンクだ。

容量は256GB。

こんな感じて入っている。

取り出してみた。

私の手と比較するとかなり小さいものだと分かるだろう。デスクトップ用メモリよりも小さい。

一緒に購入したPCI Expressカードに刺した。

付属のねじで止めた。

ヒートシンクには、1枚の大きな熱伝導両面シールが1枚入っていたので、それを4つに切り分けた。

そして、それを使ってチップの上に張り付けた。

これが、私の古いPCの中身。刺さっているカードは、ビデオカードのみだ。

ついでに、余っている2.5インチサイズのSSDも取りつけることにした。

M.2 SSDは、PCI Express x16のスロットに刺した。PCI Expressは、x16にx1でもx4のカードでも刺せる仕組みだ。

2.5インチSSDは、通常のHDDよりも高速だから、テンポラリーとして使おうと思った。

そして、起動してみたが、M.2 SSDはBIOSで認識されなかった。そのために、起動ディスクにすることができなかった。がっかりだ。既存のHDDから起動してみたところ、Windowsが起動するとM.2 SSDが認識されて使えるのを確認した。

試しに、アクセス速度を計測してみたら、シーケンシャルリードで1,500MB/s程度も出ていて驚いた。これは速い。マザーボードが古いので、もっと遅くなるのではないかと思っていたのだ。試しにちょっとしたファイルをHDDから転送してみたが、かなり速く転送された。気持ちいい。

BIOSで2.5インチのSSDは認識されたので、これにとりあえずWindows をインストールして使おうと思っていた。

口コミでは、今回買った構成で私の持っているPCと同じ古いものでも使えたと有ったので期待していたのだが。

それで、新しいBIOSが出ているかもしれないと、調べてみると私のPCのBIOSが2010年のものだったのに対して最新の物は2013年版があった。それで、希望を抱いて、BIOSをアップデートしてみた。しかし、M.2 SSDはやはり認識されなかった。

Windows が起動してからは認識されるのでハード的な問題ではなく、やはりBIOSの問題なのだろ。

ところが、このアップデートしたBIOSが曲者で、アップデート後CPUファンが100%の高速回転のままになってうるさい事この上ない。

もともと、コールドスタートでは時々起動しないことがよくあったのだが、リセットしたりしたら起動していたので、そのまま使い続けていた。これを新しいBIOSはシステムエラーだとして、起動しなくなってしまった。なんども、再起動してたら、とうとう全く起動しなくなってしまった。とうとう、画面は真っ暗でビープ音が3回鳴りつづけるだけになった。

調べると、3回のビープ音は、メモリエラーとのことだ。

メモリーを差し替えたりしてみたが、そのうちブザーさえもならなくなってしまった。

もちろん、マザーボードの電池を取り外すCMOSクリアなども試した。

さらに、電池も交換してみたがまったく効果なし。おそらくは、BIOSが問題なのだろう。起動しなければ、手の施しようがない。

万事休すだ。

調べると、このPCは、なんと2008年に組んだものだった。8年以上も前のものだ。PCの世界では大昔だ。

このPCは、CPUが6コアのXeonで、古いとは言ってもビデオ編集はもとより、ブログの更新で活躍していたので、なくなると困ったことになる。このPC以外は皆安価なCPUしか乗っていないのだ。とても、ビデオの編集ができるほど処理が速くない。

考えてみれば、サーバーは何度かパーツを購入して組み立てたが、デスクトップは8年以上も更新してなかったのだ。CPUは、Core i7 920からXeonに変わっているが。

これは、買い替えするしかないのかもしれない。延命するつもりが、とどめを刺してしまった気がする。まぁ、気持ち的には、そろそろ更新しなければと思っていたのは事実だったのだが。