2014年10月30日木曜日

日産リーフ インプレッション

日産リーフのさわりだけしか紹介していなかったので、気がついたことなどを織り交ぜながら書いていこうと思う。

預かったのは、このスマートキーのみで、普通のキーはなかった。

それを持って、車に近づいてこのボタンを押すとドアのロック/アンロックができるようになっている。鍵穴があるので、鍵でロック/アンロックするとも可能なのだろう。

ドライバーズシート。普通の車と変わらない。

ドアも変わらない。スピーカーはドアに付いている。

電源を入れた時のコンソール。

真ん中にバッテリーの容量がパーセンテージ表示で出ている。下には、ギヤボジション、オドメーターとトリップなどの表示。右側には、バッテリー容量がグラフで表示され、予想走行可能距離が表示されている。リーフを受け取ったときには、100%で、177kmだった。トリップは、3015kmだった。左には、バッテリーの温度が表示される。わざわざこんな大きく表示されので、バッテリーの温度がシビアなのかと思ったが、試乗中に変化することはなかった。営業担当に聞いても、表示が変わったのを見たことはないという。まあ、バッテリーが発火したりする事故が航空機などであるので、危険を知らせるのが第一目的なのだろう。

上には走行時のバッテリーの使用状況が表示される。アクセルを踏むと右側に塗られた円が伸び、アクセルをはなすと、回生されて左側に伸びる。

ところが、私がハンドルを握った状態では、それが見えないのだ。たいていハンドルが上下に動かせると思ったのだが、その調節のためのレバーがどこにあるかわからなかった。後で、営業に聞いたら有るとの事だった。モビリオは左側に大きなレバーがあって簡単にわかったのだが。結局最後まで、リーフではハンドル調整できないままだった。

そして、速度はフロントガラスのすぐ下に別途表示される。視線の移動が少ないすばらしい配置だ。是非他のメーカーも参考にしてほしい。時計と、運転状態の指針も左に表示されるようだ。また、気温も表示されるようになっていて便利だ。

シフトレバーは、丸い形で、右に倒して手前に倒すとドライブとなり、右に倒して前方に押すとバックとなる。これも、返却の時に聞いた話だが、ドライブに続けて2回いれるとBモードなるとのこと。Bモードでは、回生ブレーキが強く働くそうで、長い坂道などでは有効とのこと。

このシフト操作は、とても軽くて楽だった。ストロークも短い。普通の乗用車でも取り入れてほしい操作方法だ。なお、シフトの手前に記載されているR/[N]/D/Bなどの文字の右にある丸がインジケータにもなっている。ここにも、手元で操作した結果がすぐに確認できるよう工夫されている。

インジケーターはメーターの真ん中にあるのだが、そこに視線をやる前に操作結果が見える事の方が重要だ。

センターコンソールの前側には、小物置きとドリンクホルダーがある。その左右にあるのは、シートのヒーターだ。エンジンがないため真冬はヒーターが効かない。そのために、このような機能が付いているのだろう。エアコンも付いているので、それで調節も可能だろうが、室内の空気を暖めるよりもシートだけを暖めた方がより消費電力が少ないのかもしれない。

アームレストの下は、物入れになっている。

ハンドル右横には、ボタン類が並んでいる。説明がなかったので、全部はわからない。ただ、聞いた話では、オール電化なのでの深夜電力料金を有効活用するために、帰宅してから充電プラグを差し込んでおいて、タイマーで夜10時から充電を開始するという機能が付いているとのことだったのでそのためのボタンだろう。

ナビが標準で付いているようだ。ちなみに、このリーフは最上位モデルとのこと。価格は、400万近い。予想走行距離が20kmを切るとナビに一番近い充電設備の位置が表示されてナビゲートされるとのことだった。親切な機能だ。それも、走行距離が短い事の裏返しだろう。

ドライバー目線での前方の見え方。フロントウインドウがかなり寝ている。

左側。バックミラーも見やすい。特にAピラー部分の小窓によって極力死角が無いようになっている。そのためか、道路状況がわかりにくいと思ったことはなかった。

ボックスも深くてものが入れやすい。

リアシートは、足下がやや狭いが、シートは2リッタークラスの標準サイズか。

後ろ席のドアにもスピーカーが付いている。

音は、まあ、普通だ。

ハンドル左にある燃料マークのボタンを押すと...

ボンネット先端のロックが外れる。

開けると、充電プラグソケットが現れる。

プラグは、二つある。

こちらが、どうやらメーカー依存しない共通のソケットのようで、道の駅などに設置されているものはこちらを使う。

右側は、リーフ専用のようで、自宅に充電設備を設置した場合は、こちらに接続するようだ。


アクセルの上には、ボンネットのオープンレバーが有り、そのとなのにはETCのカード挿入口がある。

ボンネットを開けると、ちょっと見は普通の車と変わらない。真ん中のエンジンの様に見える四角いものは、モーターユニットだ。カバーが毛羽たつくらいさびているように見える。まだ3,000キロほどしか走っていない新車なので、はじめからこのような状態なのかもしれない。

その右に出ている橙色のケーブルは、充電ソケットからバッテリーまで続いているもので、大電流が流れるので触らないように言われた。

バッテリーやモーターは水冷なので、エンジンの冷却同様にラジエターが付いている。これは、リザーバータンクだ。モーターユニットカバーの毛羽たつ様な表面状況が見て取れる。

下回り。何もない。空気抵抗を減らす意味でも、このような処理は必要だろう。特に高速では効果があると思われる。

リアの天井にはスポイラーが付いており、その上に太陽電池が付いていた。これで何を充電しているのかはわからない。

タイヤは。215/50R17とバイク並みの大径タイヤが付いている。

タイヤそのものは、普通のタイヤだ。

ブレーキは、前後ディスクブレーキだ。

それでは、乗車から、電源のONとOFF。そして発進までを動画でお見せしよう。

さすがにエンジンがないので、ONにしても何も音がしない。発進もとても静かだ。エンジン音がしないとつまらないという人は、楽しくない車かもしれない。しかし、現在の車は移動手段化しているので静かなことは普通は大きなメリットだろう。

一人乗車では、まあ普通の車程度の走りだ。ただ、やや、出足はのろい感じがする。これは、後でわかったことだが、ECOモードでずっと走っていたからだった。家族4人でのるとかなりのろい感じがする。ECOモードを解除しての4人乗りができなかったので、ECOモードで無いときの4人乗りの状態はわからない。


それと、なぜかはわからないが、ウインカーの点滅速がかなり早い感じだ。


ハンドルにも沢山のボタンが付いていてわからないのだが、このECOボタンを押すとECOモードを解除できる。

通常はもこの様に、Pの横にECOと出ていてのんびりした走りのモードになっている。それでも、アクセルをべた踏みするとそれなりの加速をする。とにかくECOモードでは、アクセルが鈍感でかなり意識的に深く踏み込まないとそれなりの加速をしない感じだ。かなりたるい。

ECOボタンを押して解除すると、Pの横のECOマークが消える。

この状態で、アクセルを踏むとびっくりする。とにかく、アクセルが非常に敏感になる。とても楽しい。ちょっと踏むだけで、ビューンと加速してくれる。ただし、予想走行可能距離はガクッと減る。しかし、それ以後は慎重にアクセルの踏み具合を調節するとそれほど減りは早くならない。

これを知ったのが返却当日だったのは残念だ。もっと、このモードで走ってみたかった。まさしくスポーツカーだ。

営業担当に聞いたら車重は、1,600kgもあるとの事。しかし、ハンドルがとても軽い事もあり、重さは全く感じなかった。軽い車を運転している感じなのだ。ブレーキも回生が働いているのを少し感じることもあるが、それほど違和感はない。重い車とは思えない挙動から、かなりボディ剛性は高いと思われる。

ハンドリングは、スポーツカー並にクイックだ。とても重い車の挙動とは思えないくらい、機敏に姿勢を変化させられる。

デザインがなんだかよくわからないものであるし、少なくともスポーティな感じではないのに、実際に走らせてみるとかなりスポーティなのに驚く。乗っていて本当に楽しかった。

狭い路地をゆっくり走っていると、前方におばさんの乗った自転車が、我が物顔で真ん中を走っているのに出くわした。しかし、全く気がつかなかった。たまたま、前から来た人が避けてくれたので、後ろから自動車が来ているのに気がついてくれて、避けてくれた。

静かなのは、良いことだが、この様なときには、ちょっと危なさも有ると感じた。


返却時のメータだ。結局走行距離は、81kmだった。バッテリーは、58%まで減っていた。

まだ半分といえばその通りだが、ガソリン車の感覚が拭えずに、残り100km近くになると充電したくてたまらなくなった。とても不安な感じがした。ほんとうに、バイク並みの走行距離と言うことになるだろう。いや、最近のバイクは200kmは走るようになっているので、最近のバイクでも走行距離の少ない部類となる。

今回試乗できて良かった。電気自動車がどれほど実用的かわかった。もっと価格が低ければ、欲しいと思った。燃料代はかなり安いが、初期投資が高すぎる。まだまだ一般庶民が買うには高価な車だ。ただ、リースなどで分割して乗ったら、意外に良いかもしれない。とくに、毎日それなりの距離走る人には良いだろう。ただし、150km以下でなければならないだろう。できれば、100km以下か。