2014年9月4日木曜日

KTM 1290 SUPRE DUKE R 試乗

最後に試乗したのは SUPER DUKE Rだ。実はRC8Rとほとんど同じエンジンだし、スタイルはネイキッドで同じようなものだろうと試乗しないつもりだった。スタッフと話していたら、RC8Rとは異なるので絶対に試乗した方が良いとの話だったので試乗することにした。

SUPER DUKE RはKTMの最大排気量と最高出力を誇るまさにスーパーデュークだ。

性能なのどの詳細は以下を参照いただきたい。

http://www.ktm-japan.co.jp/lineup/2014/1290superduker

基本的なスペックを書くと、

排気量: 1301㏄
エンジン形式: 75度V型2気筒 DOHC 4バルブ
出力: 132KW (180HP) / 8,870RPM
トルク: 144NM / 6,500RPM
重量: 約189㎏(燃料のみ含まず)
燃料 約18L(3.5Lリザーブ)

なんといってもこのエンジンがすごい。RC8Rを上回る180馬力を8,870回転という高回転で発生している。これを、RC8Rに乗せるべきじゃ無かろうかという高スペックだ。にもかかわらず、重量は180kg台と軽い。どんなモンスターバイクかと思うだろう。
ブラック基調だが、そんなモンスターマシンには見えない。シートは、835mmと高めだ。フロントフォークはRC8R同様倒立タイプだ。リアはモノサスで左側片持ちタイプのスイングアームとなっている。BMWと異なってマフラーが右側なので、車輪の脱着はマフラーを外さないとできないだろう。


低く垂れ下がったヘッドライト。ちょっと過剰な演出に思える。

 同様にショラウドも垂れ下がっている。前から見ると、象かダックスフントのようだ。

ハンドル回りは、意外にシンプル。

左グリップになにやらカーソルボタンのようなものが見える。これは、恐らくMT-09と同様のエンジンモートの設定などに使うのだろう。どう変化するかは試していないのでわからない。

 メーターは、とても見やすい。タコメーターは1万2千回転まで記載されているが、レッドゾーンはわからない。やはりタコメーターはアナログに限る。左の四角いディスプレイには温度や時計など色々と表示されて便利だ。

拡大するとABSのON/OFFや、トリップの設定などが行えるようだ。これらの設定も左のタンドルの十字カーソルで行うのだろう。

タコメーターの右に付く液晶は速度が表示される。文字見大きく見やすい。ギヤポジジョンインジケータや時計もある。

だが、高級感はあまり感じない。

よくわからないのは、このタンクキャップだ。どういう仕組みだろうか。鍵穴は見えない。想像するに、蝶ネジのようなものを回して真ん中のフタを取ると、鍵穴が現れるのかもしれない。そうだとすると、面倒な機構だ。

また、イグニッションキーがタンク前方に付いている。これは、タンクバッグなどを使う場合に邪魔になりそうだ。690 Dukeも同様だった。390 Duke以下やRC8Rはハンドルに付いているのでKTMのポリシーという訳ではなさそうだ。

 ステップはややバック気味。オフロードの様なステップだ。リアは、片持ちタイプなのでチェーン側のみで支えている。軸に近いところで車輪を支えるため、スイングアームの中をチェーンが通るような形となっている。当然ながらリアブレーキディスクもこちら側にある。つまり、後輪、ディスクブレーキ、スイングアーム、リアスプロケットという順番に組み立てられている。凝った作りだ。RC8Rは普通のスイングアームだった。もしかすると、このエンジンと車体をベースとしたRCシーズができるのかもしれない。

跨がると、私の場合右足が2cm短いため指先が付く程度。左は、もう少し着く。

後ろから見た感じ。シートは高いが、腰高な感じは余りしない。サスペンションのストロークが長いためか、座ると沈んで足つきが良くなる感じだ。


跨がったときのライディングポジションは、やや前傾でハンドルもそんなに広い感じもせず、ちょうど良い感じだ。前を行くスタッフの390デュークとハンドルの位置関係が異なるのがよくわかる。

エンジンは、間違いなく乗った中で最高だ。低速トルクも有り、アクセルをひねればぐっと前に進む感じがする。

モンスターマシンらしくなく、ギクシャクすることも無く、乗りやすい。アクセルの開度に従ってストレス無く車体を操作できる。

試乗が、普通の道路だし無茶な走行ができるわけでは無いので180馬力という強大なエンジンのかけらも味わえていない気がする。とにかく乗りやすいいいバイクという感じだ。

コーナーへの進入もRC8Rなどよりも素直だ。コーナーからの加速も気持ちいい。やはり、軽いということは大きなメリットだ。Bandit 1250Sは重たい鉄の塊の様な車体に感じる。パワーもあるが、慣性も強く感じる。特に低速だと、腰高感もあって安定感に欠ける。

そころが、SUPER DUKE Rは軽いのでそんな感じも無くい。とても扱いやすく調教されている。スタッフの是非とも試乗すべきというのは本当だった。

ただ、これが200万円近い価格だといわれると二の足を踏んでしまう。やはり価格はどうしようも無い。それでも、一番乗りたいバイクだ。

軽量な車体のおかけで、足つきが悪くても苦痛なほどの不安は無いが、それでも、うねった地面では足を着くのは危ない気がする。もう少し足つきが良ければいいのだが。

試乗の動画を以下に載せた。

今回のKTMの試乗で、KTMというバイクの魅力のようなものが垣間見えた。軽くて乗りやすい。たとえ、それが180馬力のモンスターマシンで有ってもだ。ただし、低排気量車は、軽さ故に振動も大きく感じた。

だが、YAMAHAのMT-09やMT-07などは、まさにこのコンセプトだ。国産車としての信頼感もあるし、性能対価格という点では圧倒的だ。KTMにとっては、MTシリーズは大きな脅威に違いない。KTMもさらに切磋琢磨して良いバイクを提供して欲しいものだ。

なかなか、こんな試乗はないので、また、何かあったら是非参加したいと思う。ちょっと病みつきになりそうだ。