2013年3月6日水曜日

大型自動二輪免許

予想どおり、五時限目になっても、まだ、スラロームと一本橋と外周を回ることしかやっていなかった。これでは、とても見極めにはならない。

そして、6時限目、指導員は急に「コースの一部走ってみますか?」という。やっとかと先導してくれる指導員の後について、コースの一部を回る。ここで、初めてクランクが入った。

コースを走ってみると、リズムがいままでと違うし、すこし進んだかなという気持ちもあり、心安らかだ。クランクは、1速で入り、クラッチを使わずにそのまま回る。速度の調整は事実上できないので、リズム良く回る必要がある。クランクには、ポールが立っており、触らないように走る必要があるが、意外にスムースに行けた。

6時限目が終わった後、指導員から「じゃこれで、1段階終わりですから。明日から2段階ですので」という。本当か。と豆鉄砲食らった状態だった。

そして、第2段階1時限目と2時限目は、普通車の走るコースに出かけていった。そして、常時指導員が先導して、付いて走る。コースが広くて、とても走りやすい。速度も出せる。狭いところをちまちま走るのと大きな違いだ。だが、本当に初心者の普通自動車の練習車が沢山走っているため、優先道路に入るときには、なかなか入れない。何しろ、普通車が遅いのだ。バイクと違い、車はどんなに遅く走っても転けないから、遅く走ることが全く苦にならない。この点は、バイクと四輪車の大きな違いだ。

ここで、事件が発生した。もう一人一緒に走っていて、指導員、他の生徒、私の順に走っていたら、外周から中に曲がって入ったら、前の生徒のバイクの後輪がパワースライドして、車体が横向きになったのだ。思わず、止まったから良かった。こちらも、角を曲がるので徐行していた。その生徒が角を曲がって加速したときに、不用意にアクセルを大きく開いてしまったらしい。雨上がりで路面が少し湿気ていたのも原因の一つだろう。速度が余り出ていなかったので、こけなかったのが幸いだ。

そして、トラックの練習場と思われる広場に行くと、片手運転でぐるぐる回ったり、広い道路を8の時にくるくる回ったりした。なかなか面白かった。

そして、第2段階3時限目は、コース1を少し走った。そして、4時限目は、2コースを走った。このとき、若い青年と一緒になった。これをN君ということにする。N君は、まだ一度も自動二輪で外を走ったことが無く、1ヶ月前に普通自動二輪を取ったばかりだ。そして、そのまま大型自動二輪の教習をうけている。だから、彼は、コースを走り慣れているし、課題のスラロームや、一本橋、クランク、S字など、とてもうまい。若者は、やはり、覚えも速いし、安定しているなぁ。と思っていた。そして、4時限目が終わった後で、後3時間で7時限で見極めになるのだろうが、あと3時間ではとても難しいだろうと思っていた。何しろ、4時限目も、スラロームは遅く、1本橋の成功率は0だった。何しろ、コース2を覚えるのに一生懸命で、なかなかうまくいかない。こんな事では、あと3時間ではとても見極めできるはずが無い。しかも、次の5時限目は、シュミレーターだ。7時限の内、3時間は普通の練習では無くて、実質4時間しか無いというのがびっくりだ。

すると、指導員が、「じゃ明日3時間取ったから、1時間目にシミュレータに乗って、残りは2時間目に1コース、最後の3時間目には2コースを走りましょう。で、明後日、検定ね。」と言う。
こんな状態じゃ無理だろうと思ったが、指導員は、長々やっても仕方ないので、あと2回の練習で集中してやります。というのだ。私のひどい状態で、何しろ今の4時間目でも、波状路では、エンジンストップして、落車したばかりだ。

かなり心配な状態で、次の日、シミュレータに乗った。T字路を左に曲がったら、自転車が飛び出て引いてしまった。そして、狭い路地に止まっているトラックをゆっくりと、追い越したら、突然また自転車が出てきてまた引いてしまった。なかなか難しい。

そして、残り2時間は、とにかくコースを走った。なるべく沢山走ろうと、全体的に速度を上げると、指導員は「だめだめ。速度速すぎだ。ゆっくり慎重に!」という。結局、この2時間でそれぞれのコースを5,6回しか回れなかった。ただ、コースがほぼ覚えられたので、課題の成功率は、不思議と100%だった。どうしたことか。指導員も「完璧だね」と言ってくれた。

そして、検定日は、朝10時に集まり、11時10分から検定開始となった。集まると、仮免二人、普通車6人、大型自動二輪二人(私とN君)だった。どうやら、N君が先に入校しているらしく、試験の順番は私が2番目になっていた。正直、ほっとした。

そして、検定が始まった。しかし、そこでまたまた事件が発生。どうしたことか、N君サイドスタンドを跳ね上げないで乗車してしまい、エンジン始動後、ローにギヤをいれるとエンジンが止まってしまうのだ。N君は、舞い上がって、どうしてエンジンが止まってしまうのかわからずに、なんども、エンジンを始動しては、ローにギヤを入れてエンジン停止を繰り返している。見ていた私は、思わず、手をメガホンのようにして「サイドスタンド!サイドスタンド!」と叫んでいた。が、指導員が駆けてきて、「だめ! 試験中だから話しかけないように!」と言う。しかし、その間もN君はエンジンが止まる原因がわからず、焦りまくっているのがわかる。見かねたもう一人の指導員が、駐輪場に止まっているバイクのサイドスタンドを何度か蹴って見せた。それを見たN君、下を見て、スタンドが出ている事に気づいて、なんとか走り出した。

私が、こんな状態になったら、その後まともに走れたかわからないが、N君はなんとか完走した。でも、こんな失敗ををしたN君には悪いが、私は感謝した。なにしろ、緊張してどきどきでどうなるかと思っていたのに、全くリラックスして緊張もせずに、コースを走れたのだ。

N君は、試験後待合室に行くと落ち込んでいた。なんどもエンストしているので、もうだめなんじゃ無いかと...。しかし、考えて見れば、まだ出発していないのだから、おそらく、サイドスタンド上げずに乗車という点で減点くらいじゃないかと思うよと慰めた。試験官がやってきて、「どうしたのN君、どうしてあんな基本的な失敗をしたの」と言っていたが、「ぎりぎり合格!」と、そして私も合格だった。普通車の8人の内二人しか戻ってこなかった。その二人は合格だったようだ。今日の普通車検定は、6人がだめだったらしい。

なんだか、最初はゆっくりはじまった教習だったが、終わりは駆け足で終わった感じがした。終わってみれば、教習13時間と1時間多いだけだった。

そして、今免許を見ると..


「大自二」の文字が。これで、もう、どんな自動二輪にも制限無く乗れるのだ。素直に、嬉しい。

そして、やはり、ちゃんと教習所で練習する必要性を本当に感じた。確かに教習料は安くは無いが、その価値は十分にあったと私は思う。いままでのように、自己流で勝手に大排気量車に乗っていたら、大きな事故になったかもしれない。