エンジンがかからなくなったBandit 250だが、あの後毎日セルを回してみるが全くエンジンがかかる様子も無い。
意を決して、本格的に整備する事にした。
まずは、ヒューズから。セルが回るので、ヒューズが切れているとは考え難いが、もしもの事があるかもしれない。
ヒューズはシート下にある。
赤い配線の下にヒューズボックスが有る。配線が邪魔でボックスを弄るのに邪魔だ。
どうやってヒューズボックスを開けるのかわからなかったが、おそらくこれだろうとマイナスドライバーで肘ってみた。
と、簡単に開いた。中には、25Aが1つと、10Aが3つ入っており、25Aと10Aの予備がそれぞれ1個ずつあった。
これをラジオペンチで一つ一つ外して調べた。
ヒューズ自体は中くらいのサイズで、ジェンマと同じだった。が、どれも切れていなかった。
次に、ガソリンだがこれもフィルターにガソリンが溜まっていいるのが見えるので問題ないように見える。
タンクのフタを開けてみたが、130Km程度走っているので、だいぶ少なくなっているが空っぽと言うわけでも無い。燃料コックをPRIにしても、エンジンがかからないのは変わらなかった。
というわけで、これ以上調べるにはタンクを下ろす必要がある。
まずは、燃料コックに繋がっている2つのホースを外す。このときに、燃料コックはONの位置にしておく事。私は、PRIにしていてホースを抜いたとたんにガソリンがコックから出てきて慌ててしまった。
次に、タンクのシート側にある2つのボルトを緩める。
ボルトを外したところ。タンクの取り付け部の下にゴムのブッシュが付いている。
これが外したボルトとタンク下にあるゴムブッシュだ。特にゴムブッシュは忘れがちでタンクを外そうと持ち上げたとたんに外れてどこかに転げて行ってしまうので気をつける必要がある。
タンクの右側に冷却タンクから出ているホースがタンクに繋がっている。
これは、このようにその先がT字のジョイントに繋がっている。
これを上のように外す。これで、タンクはどこにも繋がっていない状態となるので、ハンドル側からシート側にスライドさせるようにずらす。そうするとタンクがフリーになるので、持ち上げて外す。
タンクの置き場としてすのこを用意した。
で、このようにタンクを置いておく。
タンクを外したら、エアークリーナーボックスが見える。タンクの真下に空気の取り入れ口が開いている。
エアークリーナーを覗いてみたが、エンジンがかからないほどに汚れているようには見えない。今回はこのままにしておく事にする。
それでは、プラグを確認する事にする。これが原因で無かったらキャブレターと言うことになり。相当に面倒だ。プラグであることを祈るばかりだ。この写真を見るとわかるが、プラグも簡単に外せるようでもない。冷却水のホースなどが被っている。SUZUKIさんよ、もう少しメンテナンス性を考慮した設計というのはできなかったのかね。もしかすると後期型はもっといい設計になっているのかもしれないが。
とりあえず、一番邪魔なこのボックスを外す。
ついでに、冷却タンクを見てみてみたが緑色した綺麗な液体が入っており、問題があるようには見えなかった。
今回購入したSUZUKI用という車載工具に入っていたプラグレンチを使ってみた。深いので、これ以外では外す事はできなかっだろう。工具を買っておいて本当によかった。おそらく、Bandit250標準のプラグレンチはもっと短いのではないかと思う。このプラグレンチは少し長くて、エンジンの上に付いているものが邪魔でこうやってプラグの穴に入れるだけで苦労する。
プラグレンチは17mmのスパナで少しずつ回してプラグを外した。
外したプラグ。確かに汚れているが、経年変化で交換するほど劣化しているようには見えない。が、花火を飛ばしてみると、なにやら色が柿色で、しかも、本来飛ぶところ以外にバチバチと火花が飛んでいる感じだった。
本来ならば、新品に交換するべきかもしれないが、注文はしているのだが、まだ届いていないので、とりあえずワイヤブラシでごしごしと磨いてみた。
とても綺麗になった。これなら新品とたいして変わらないだろう。
なお、プラグを外した穴には新聞紙を丸めて詰めておく。この穴からシリンダー内に異物が入り込まないようにしておく。ここに異物が入るととても面倒だ。たとえそれが、単なるほこりとか小さな砂でもエンジンにダメージを与える可能性がある。
で、磨いたプラグで花火を飛ばしてみると今度は綺麗に飛び始めたので、おそらくプラグの汚れが原因だったのだろう。しかし、2週間前まではなんの問題も無くエンジンがかかって走れていたのだからいきなり汚れるとも思えず、何が原因で汚れたのかわからない。でもこれを残りの3本にも同様に行った。汚れは、どのプラグも同じように感じだった。
これが2本目。
3本目。
4本目。
で、配線の被服が破けているところが2カ所あった。
まずは、タンクの下の配線。
ビニールテープでぐるぐる巻きに。白にしたのは特別意味があるわけでは無く、単に白いテープしか無かったからだ。
2つ目が、ヘッドライトから出ている太い配線だ。
こちらは狭くてぐるぐる巻きにできなかったので1回巻きにしておいた。
ちなみに、プラグの花火の飛び方の変化をビデオにしたので見て欲しい。
全部のプラグの清掃と取り付けが完了したのち、ガソリンを供給するために、タンクを仮取り付けし、燃料コックのホースをつないで、セルを回してみた。いままでは単にセルが回っているだけでエンジンがかかりそうな雰囲気も無かったのが、明らかに音が違い、程なくエンジンがかかった。もうだいぶ暖かいが、チョークをひっぱておくとエンジン回転数が上がってアイドリングが維持しやすかった。数回アクセルをひねってエンジン回転を上げておいてから、チョークをゆっくりと戻した。安定したので、数分程度アイドリングさせておいた。その間に、タンクをちゃんと取り付けて、サイドカバー、シートと組み付け完了。工具も仕舞った。
さて、ヘルメットとグローブを付けて、1時間半程度走ってきた。走行距離は、50km程度だった。前回、ふらつきの修理を行ったことで、本当に安定しており、とても乗りやすくなっている。エンジンも問題無く吹け上がり、1万4千回転でも特に問題は無かった。
前回ガソリンをいれてから、145km程度走ったところで、なにやら吹けがおかしくなった。おそらくガソリンが無くなったのだろう。コックを、RESにしたら、再びエンジンが吹けるようになった。
このままでは少し心配なので、ガソリンを入れた。前回の燃費は16km/l程度だったが、今回は、もっといいかもしれないと思っていたが、プラグが汚れていてエンジンがかからずにセルを回したりした事や、タンクを下ろすときにだいぶガソリンが漏れたのでそのためなのか、今回も16km/lだった。まあ、古いエンジンだし仕方ないのかもしれないがそれにしても燃費は本当に良くない。軽自動車並みだ。いや、最近の軽自動車はリッター20kmどころか30kmも走るらしいから、全く相手にならない悪さだ。
また、今回プラグの清掃を行ったが、本当にメンテナンスはしにくいバイクだ。やはり、2気筒、いや単気筒のエンジンが、弄ったりメンテナンスするのはしやすい。むやみに気筒数が多いと消耗品(プラグなど)が4つも必要で維持費的にも不経済だ。
しかしだ、それでも、このエンジンの吹ける時の気持ちよさもまた魅力ではある。
今回はハンドルが低いことはあまり気にならなかった。慣れたのだろうか。だが、クラッチは辛い。1時間半で手首の筋が痛くなってくる。実は、私の左手は若い頃に手首の筋を切断しており、そのために握力が無いので、そのために疲れやすいのだろう。
それにしても復活して良かった。ツーリングに行けなかったので、Bandit 250で少しでも走り込んで、慣れておきたいところだが、明日から天気が崩れて雨らしい。こんな時には、バイクがいじれる小屋でもあればいいのだが。そんな贅沢なモノは無い。
少しでも、走れるようなら走る事にする。