あるサイトをみていたら、以前から気になっていた小型マイコンボードRaspberry Piの記事が載っていて、今や懐かしい「トランジスタ技術」、通称「トラ技」に「PiCCASO」という基板が付録で付いているという。しかも、この基板がすごいのだ。記事によれば、「 近づくと勝手にしゃべり出すIoTロボットの口を作る」という機能があるという。そのトラ技は2016年11月号なのですでに無くなっているだろうとAmazonを見るとなんと未開封基板付きが売っていたので、思わず注文してしまった。送料込みで1,500円弱だった。基板付きでこの価格は安くないか!
しかし、注文してよく見ると、付録は「基板のみ」。つまりパーツは付いていなかったのだ。なんだと~! で再びAmazonを探すと、パーツセットが売っているではないか。それで注文。
これで、楽しめると思ったのもつかの間。なんと、肝心のマイコンボードRaspberry Piが必要だった。今度は、失敗しないように必要な付属品付きの入門セットを購入した。
なんだか、1,500円のはずが購入してみると10倍以上になっていた。まあ、こんなこともある。せっかく買ったのだから楽しまなくては。
購入品
これが、問題の「トラ技」2016年11月号。古本だが、とても綺麗だった。
もちろん、基板も未開封だ。「オールDIP!」というのがいい。DIPというのは、「Dual-In-line Package」の略で、簡単に言えば基板に穴が開いていてそこにIC部品のリード線を刺すタイプ。上の写真では、中央にある長四角のICがそのタイプ。自分で部品を取りつけて半田付けするが容易という事もあるし、ソケットが付けられるので、ICを後から取り替えるのも容易だ。それにソケットを使えば、熱に弱い半導体(IC)を半田ごての熱にさらさないで済むという大きいメリットもある。素人の半田付けだと熱でICを壊してしまう事も珍しくない。ICだけならまだしも、基板まで焦がしてしまったりする。
しかし、最近の量産品ではこの手の基板は珍しくなっていて、面付けタイプ(SMD Surface Mounting Device)が実装密度の高さからほとんどになっている。だが、小さいだけに素人が半田づけするのは難しい。なにしろ、DIPのピン間が2.5mm程度なのに対してSMDでは0.6mm程度しかない。それに、小さいということは半田の熱もすぐにICチップに伝わるため、熱的破壊もおこりやすい。
そして、その隣にあるのが部品セット。後は半田づけして組み立てれば良いだけだが、それはさておいて、先にマイコンボードで遊びたい。
これが、通常であればマイコンボードだげなら5,000円以下なのに、1万円近くする入門キットだ。後でこれにしてまずったなと思う点と、良かったと思う点があった。おいおい紹介する。
Raspberry Pi 3 model B
それでは、キットの中身をみてみよう。
説明書はペラ紙がはいっているだけだが、日本語なのは安心感がある。
3つの箱が入っていた。一番右がマイコンボード本体だ。
本体のRaspberry Pi 3 ModelBにも説明書が付いているが、多国語版で日本語の部分はこれだけ。説明書というよりは、注意書きか。
Raspberry Piには、1、2、3とあるが、中でも今回購入したRaspberry Pi 3 ModelBには、無線とBluetoothが初めて標準装備された。現在の最新、最上位は、Raspberry Pi 3 ModelB+だ。メモリが増えていればそれにしただろうが、同じだったので実績のある一つ前の製品にした。
パッケージを見ると製造はイギリスだが、ちゃんと技適マークが付いている。
取り出した基板。本当に小さい。これで、CPUとメモリ、
有線LAN、USB 2.0×4、
microUSB(給電専用)、HDMI、ヘッドフォン端子、無線LAN、Bluetooth付きだ。
ストレージはなく、microSDカードを挿してストレージとしている。
基板裏側。大きなICチップが一つ。エルピーダと書いてあるのでメモリだろう。ちなみにメモリ容量は1GBだ。
表面に戻って、これはおそらくメインのチップ、つまりCPU/GPUなどが入ったシステム・オン・チップと思われる。Raspberry PiのCPUは、スマートフォンなどと同じARM系だ。GPUなど周辺機能が取り込まれている。クロックは1.2GHzの4コア。最近のスマートフォンと比較してもエントリー向け以下の性能だ。
有線LAN、USB 2.0インターフェイスのところに付いているSMSCのチップはネットワークインターフェイス関連のチップだろう。
黒い箱2つには、これだけの物が入っていた。
列挙すると、
ケース、HDMIケーブル、ACアダプタ、ヒートシンク、microSD、カードリーダー、説明書。
ACアダプタはRaspberry Pi 3 ModelBに適合した物で、microUSB端子で電源スイッチ付きだ。Raspberry Pi自体には電源スイッチは無く、microUSBにケーブルを挿すと即電源が入る。なので、抜き差しが面倒だから、スイッチ付きは嬉しい。
ちゃんとこれもPSEマークが付いていた。出力は5V/2.5Aだ。
付属の32GB microSDカード。相性があるようなので、実績あるものが付属するのは安心だ。日本語に対応したRaspbian(Linux)が入っている。私は、これを使用しているので、何の問題も無く簡単にRaspberry Piを楽しむことが出来た。自分でOSを用意するのは設定を含めて大変かもしれない。それもまた楽しみではあるが。まずは、使って楽しむのには、これが付属していたことは大きかった。
カードリーダー。いやに小さい。
なんと端子はUSB TypeCだった。私の使っているPCにもTypeCは付いてはいるが、リアのみだ。これを使うことはないだろう。
ヒートシンク。先に紹介した3つの大きなICチップに貼り付ける。Raspberry Pi 3 ModelBのシステムチップは、最近のスマホに比べてもそう高性能ではない。が、調べると発熱はかなりあるようだ。
これがケース。シンボルのラズベリーがあしらわれている。黒い樹脂製。
端子部分が綺麗にあいていて精度も高そうだ。こたらは、LANとUSB。
そして、microUSBなど。
側面の下には、microSDカードスロットもあり、ケースを付けたままで、カードの抜き差しができる。
3つに分かれる。
OSはあらかじめ入っているが、色々試してみたかったので、16GBの同じ仕様のmicroSDカードを購入した。これを実際には使うつもり。
容量が違うだけだ。OS自体は、4GBもあれば十分だ。
つづく。
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