2016年8月4日木曜日

BMW R100RS リアブレーキの点検

大観峰早朝ツーリングの当日になっていきなりおかしくなった、リアブレーキ。

踏んでも、まったく固くならずに、踏み切ってしまうのだ。当然だが、まったくブレーキは効かない。

大観峰早朝ツーリングのはじめは、何回か踏んでいたら固くなってきてブレーキも効いていたのだが、帰るころには、全く効かなくなった。

帰宅してすぐに、エアー抜きを実施してみることにした。なんらかの原因でエアーを噛んでしまったのではないかと思ったのだ。


ゴムキャップを外した。なんだか白くなっている。

そこに、ブレーキフルード交換キットのホースをつなぐ。

青いワンウェイバルブの付いたセットだ。

リアブレーキをしこしこと押す。

フルードが減っていくので、どんどんとつぎ足す。

こんなに出てきた。しかし、エアーらしきものは出てこず、エアーを噛んだようには見えない。

そこで、よくホイールを見たらいやに汚れている。これはもしかしてフルードが漏れていてそれでスカスカになったのか?

でも、拭いてみたらオイルの様だった。どこから出てきたのか、

下をよく見ると、シミができていた。

なんとファイナルギヤボックスのドレインから漏れていた。

緩んでいるのかと締めてみたが、残念ながら閉まっていた。ということは、パッキンの問題だろう。それにしても、全く兆候もなく突然にオイル漏れするなんて。ここは弄っていないのに。

それは、それで問題だが、リアブレーキがスカスカなのとは関係ない。

エアーが噛んでいなくて、いくらブレーキを踏んでもスカスカということは、ブレーキマスターのピストンが故障したとしか思えない。

ツーリングから帰ってきて調べられたのはここまで、外はとにかく暑くて干上がりそうだ。

早朝から走ってきて、疲れている事もあり、睡魔が襲ってきてとうとうダウンしてしまった。




翌日。

リアのマスターシリンダーを注文しようかと考えていたのだが、もしも購入してマスターシリンダーでなかったら無駄になってしまう。

色々考えて、本当にマスターシリンダーの問題か特定するために、ABSからのエアー抜きも試してみることにした。

しかし、本当は、これはありえないとは薄々思っていた。パイプの配管は、マスターからABSに行っており、そして最後にリアキャリパーに行っている。リアキャリパーのところで、エアーがまったく検出されないのに、ABSにエアーが溜まっているとは考えにくい。

それでも、一応確認してみることにした。


まずは、リアキャリパーを再度分解してみた。


どこからか、フルードが漏れていたりしないか見てみたが、無いようだ。

試しに、ピストンのゴムカバーを外してみたが、破れもなく綺麗だ。

ピストンも綺麗。そこからフルードが漏れているようには見えない。


とりあえず、シリコングリスを

パッキンに塗って組み立てた。

ABSのエアー抜きをするために、両サイドのカウルを外し、インナーカウルも外す。

そして、タンクを外した。タンクのホースを外すのが面倒だったので、タンクを横に垂らしておくことにした。

なんだか、寂しい姿だ。だが、今まで弄れなかったところも簡単に弄れるので今後の事を考えるとここまでやってよかった。意外に簡単だったし。

ABSユニットには、エアー抜きの個所が2か所あり、フロント用とリア用になっている。

手前側の配管を探っていくと、

フロント側に行っていたので、奥側がリア用だと判った。

そこに、ホースをつなぐ。

フルード交換キットをセット。

リアブレーキを踏んでここからフルードを排出させてみたが、全く泡などなかった。綺麗なものだ。それでも、もしかしたらとフルードを足しながら排出させた。

こんなにフルードが出てきたが、フルード自体もとてもきれいだし、泡も全く入っていなかった。

つまり、エアーが噛んだということは無いと言えるだろう。それなのに、ブレーキを踏んでもすかすかだ。

試しに、マスターシリンダーを外してみることにした。最初は、マスターシリンダーを取り付けているボルト2本を外せばよいだろうと思っていたが、なんと、裏にナットが付いていることが分かり、ステップを外して、裏のナットをスパナで固定しないと、ボルトが外れなかった。


ステップが外れると、ブレーキマスターに入っていたシャフトが簡単に抜けた。つまり、マスターシリンダーにはシャフトが差し込んであるだけで、シャフトがシリンダーを引き戻しているわけではないことが分かる。という事は、マスターシリンダー内に、ピストンを戻すばねのようなものが入っていると考えていいだろう。そのばねが外れたか、ピストンのワイウェイバルブが壊れたか。

マスターシリンダーが自由になった。ABSユニットに行っている金属製のパイプは外さないでおいた。これをはずすと、パイプ内のフルードが漏れ出てくるだろう。

ゴムブーツが割れていたが、フルードが漏れている様子はない。


シリンダーを見てみたが、綺麗でよくわからない。マスターシリンダーを分解してみるのも大変そうだ。第一ネジらしきものもなく、どうやったら分解できるのかわからない。ちゃんと調べてから行うことにしよう。

おそらく、筒状になっていてこの円形の金具を外して中身を取りだすのだろう。

ここに棒を差し込んで押してみたが、全く圧力を感じない。スカスカだ。どう見ても、このマスターシリンダーの問題だろう事は間違いない。

私はこの部分は弄っていない。ただリアキャリバーのメンテナンスの時に、キャリパーのピストンを押し出すのになんども最後までブレーキを押した。通常は、ブレーキのマスターシリンダーは最後まで押し込まれることはないはずだから、そのためにもともとあった不具合が現れてきたのかもしれない。私がブレーキを弄らなくても、この現象はいつかは現れたはずだ。

早くわかってよかったのかもしれない。

中古部品を探してみなくては。どうせ交換するのなら後学の為にマスターシリンダーの分解もしてみたいものだ。それで治ったら、それはそれでうれしいことだ。

折角分解したので、このままでバイクカバーをかぶせて、部品が入手できるまで放置だ。

それまでは、乗れない事になってしまった。

それにしても、車検も取って、任意保険も更新したというのに、その矢先にこれほど色々不具合が発生するのはどういうこと?

車検をとる前にこんな現象がでていたら、きっと、車検は通さなかった気がする。

それをR1100RSは感じて、故障個所があるのになんとか車検が取れるまで、現象が出ないように頑張ったのだろか? なんとなくそんな気がしてきた。

ここまできたら、なんとか修理して、乗れるようにしたいものだ。これは、R1100RSの思うつぼ?

憎めないやつだなぁ。