2014年9月3日水曜日

KTM 1190 RC8R 試乗

さて、次はRC8Rだ。KTMにはオフロードやネイキッドのイメージがあるが、唯一のスーパースポーツカテゴリだ。

性能なのどの詳細は以下を参照いただきたい。

http://www.ktm-japan.co.jp/lineup/2014/1190rc8r


基本的なスペックを書くと、

排気量: 1195cc
エンジン形式: 75度V型2気筒 DOHC 4バルブ
出力: 74KW(101HP)/ 6500RPM
トルク: 110NM / 6000RPM
重量: 約184㎏(燃料のみ含まず)
燃料 約16.5L(3.5Lリザーブ)

今まで試乗してきたのが単気筒だったが、1リッターを超える排気量なのでV型の2気筒となっている。ただ、角度が75度と狭い。通常スポーツタイプのV型エンジンだと90度近い広めのものが多いが、これはそれよりも狭い。エンジン出力も、101馬力と思ったほど出ていない。しかも、6500回転での出力だ。かなり低い回転だということになる。一般的なスーパースポーツタイプのバイクは、高回転型が多く排気量の割に高出力でパワーバンドも狭めというのがほとんどだろう。
だが、RC8Rは、まるで真逆で、どちらかといえばエンジンは回らず、出力も低めで低速トルク重視のエンジンに見える。

これは、国内仕様の特別スペックのようだが、日本では国外仕様とあまりにエンジンが違いすぎる。最近では、国産車でも、輸出仕様とほとんど同じ性能を発揮している。それに準じて欲しいものだ。

 外観は、レーサーレプリカそのものだ。シートは薄く低くえぐられている。だが、意外に高めで805から825mmとなっている。低めにセットされていたかはわからないが、足つきはあまり良い感じはしなかった。私の174cmという体格では、かかとが付かず足先だけが付く感じだ。だが、エンジンが細いため、全体的に跨がりよく、足つきが少し悪くてもあまり不安は感じなかった。フロントフォークは倒立タイプ、リアはモノサスで、通常のスイングアーム形式だ。

このフロントデザインは、どうも好きになれない。あまりかっこいいとは思えない。他のデュークシリーズのヘッドライトに無理矢理カウルを取り付けたような感じだ。もう少しデザインのしようが有ったのでは無いかと思えるが。逆に言えば、いかにもKTMらしいのかもしれない。

この角度から観ると、まあなんとか許せるか。

タンクは、シートが低いため飛びだしており、かなりでかく感じるが、幅がたいしてないので容量は16.5リットル程度と多くは無い。

ハンドルには、ダンパーが付いていた。標準装備かどうかはわからない。見ての通り、ハンドルはセパハンで低めだ。他の車両がハンドルが高めなのでそれらに乗っているととても低く感じる。クラッチは油圧でとても軽い。

メーターは、390デューク以下とよく似た小型のもので、小さくて見にくい。これも、フロントのデザイン同様に何とかならなかったのかと思えてしまう。

この角度で観ると、シートがえぐれて低いのがよくわかる。

このアングルから見るとエンジンがよく見える。フルカバータイプだが、カバーされているのは前半だけで意外にエンジン部分は弄りよい気がする。

 ステップは、バックステップになっている。ただ、跨がってみるとほとんどと違和感が無い。ちょうど良い位置にある。ライディングポジションに関してはよく調節されている気がした。

リアシートがかなり高い。足を上げて跨がろうとすると引っかかる。全体的に細いのがよくわかる。

さて、実際に走り出すとスーバースポーツという感じでは無く意外にあっさりと発進できる。なにも気構える必要は無い。

エンジン音は、単気筒系があまり良いとは言えないものだったが、これに関してはその気にさせるよい音がする。

跨がるとハンドルの低さをよりいっそう感じる。

しかし、走り出すとその低さがスポーツしている感じがしてなかなか良い感じだった。わざと、シートの後端に座って前傾姿勢を強くして走ってみた。

エンジンは低回転からトルクが有り、扱いやすい。

まさに、スーパースポーツの外観をしたネイキッドバイクのような感じだ。恐らく、一番乗りやすいスーパースポーツかもしれない。

ただ、それも、15分程度の試乗だから言えることだ。恐らく私の場合は、長時間の走行はこのライディングスタイルでは、難しいだろう。第一に首が痛くなる。何しろ、体がタンクの上に来るくらい前傾しているので、前を見るためにはあごを上げて見上げる感じになる。それを長時間続けと首が痛くなるのは明らかだ。さらに、ブレーキをかけるとハンドルで体重を支える感じになり手が痛くなる。

ニーグリップしていても、タンクが細めであまり体重を支えるのに適していない。もう少しタンクをワイド化して、包まれるようなライディングポジションが取れれば楽だろうが。

とにかく、走行性能に関しては単気筒とは比べものにならないくらいスムーズでトルクフルで、振動も少なくてかなり良い。しかし、2気筒の鼓動感もしっかりと有り気持ちいい。

ただ、価格は200万円だ。

これも、動画を以下に置く。