2014年4月10日木曜日

HONDA NM4-01今月発売にびっくり

モーターサイクルショーのHONDAブースで話題となっていた「NM4」が何と今月の21日から発売になるとの発表をみて驚いた。
斬新なデザインのショーモデルだと思っていた。

市販されると言う話もあったが、今年の暮れか、来年かと思っていたら、なんと今月21日発売である。

こんな、おもちゃ(失礼)の様なバイクが町中を走るというのは、まさしく、時代が変わったと思わせる。

スペックを見ると、中身はまさしくNC750シリーズであることがわかる。NC750Xなどに比べて15kgほども車重が増えており、その為か燃費が42km/lから38km/lへと下がっている。タンク容量がこのデカいフロント周りにもかかわらず11リットルと少なく、おそらく実用的な航続距離は250km程度となるだろう。

また、リアタイヤが200/50ZR17と非常に太い。このサイズは、なかなか標準で無いと思われるので、タイヤ交換の費用は高くなるだろう。しかし、こんなに太いタイヤである必要があったのだろうか。たしかに、ワイドなスタイルなので、細いタイヤでは見栄えは良くないだろう。

シート高が650mmと、同様のスタイルのCTX700の720mmより70mmも低くなっている。ライディングポジションは、立っていると言うよりは後ろに反り返っている感じで、かなり低い。足を前に投げ出すスタイルだ。ミラーが丁度ハンドルをカバーするように張り出しているので、ハンドガードの役割を果たすかもしれない。

確かに面白いデザインだ。一度乗ってみたいと思わせる。だが、実用面はどうなのだろうか、荷物を積むスペースがあるのだろうか。

初めて知った時に、フロントが開く機構であることが見て取れて、これは一体なんだろうと思っていたら、これがラッゲージスペースとのこと。なぜに前なんだろうか。

こういう形だったら、ライダー側に入り口を設けたほうが実用的だろうに。しかも、右側(写真では向かって左側)が1リットルで、左側が3リットルしかない。NC7X0シリーズがヘルメットまで入れられるくらいに大きかったのに比べると非常に小さい。しかも、前側だ。なんとなく、前に蓋があるのは個人的に非常に抵抗感がある。雨の侵入や、走行で着く虫などの汚れなど、中は綺麗でも取り出すときにホディに触ると汚く感じるし、濡れていたら嫌ではないか。

今日の発表では、NM4-01というリアトランクの無いタイプだけの発売だった。普通のバイクなら、トップボックスとか、パニアケースなど付けられるだろうが、リアトランク付のNM4-02が存在する以上、そのようなオプションは付けないだろう。ただ、脱着が簡単な仕組みなら、NM-02のリアトランクそのものがオプションとして出てくる可能性はあるかも知れない。そうでなければ、リアのスレンダーな細さを見ても、シートバックも付けられそうにない。収納に関しては、そうなると厳しく感じる。

また、メンテナンスの点でもフルカウル仕様なのでエンジンオイル交換などの軽整備ですら大変そうだ。

チェーンが付いているのも気になる点だろうか。このようなコンセプトならば、やはりドライブシャフト駆動か、ドライブベルト駆動にしてほしかった。チェーンのメンテナンスはオイルが散ったりして汚れるし、このスタイルにはふさわしくない。

また、ふんぞり返って乗るスタイルで、この馬鹿太いタイヤである、いったいどんな走行性能なのだろうか。まともにライダーの思うように曲がれるのだろうか。早く、レビューを見たいものだ。

まあ、コンセプトとして実用的なバイクではないのかもしれない。

それにしても、エイリアンの様なというか、合体ロボというか、そんなバイクが世に出てくることになったようだ。

HONDAという会社は、今回のように変わった製品を出すことがあるが、それがすべてヒットしているわけではない。いや、それよりもヒットしなかった製品の方が多かったのではないかと思う。NM4もそれに該当しないといいのだが。私には、該当しそうな気がしてならない。

だが、夢のあるバイクではあると思う。突然モーターサイクルショーで出品してすぐさま発売という、非常にあわただしい事になったのはどういうわけかはわからないが、ショーでの評判が良かったとしてもこんな短い期間で発売にはできないだろうから、初めから発売するつもりだったのだろう。

幸いにも、エンジンなどの主要部品は、NC750シリーズと同じであるから、この機種だけ売れなくても、HONDAとしてはリスクは最小限に抑えられる。

ちなみに価格は、約100万円だ。営業妨害する訳ではないが、同じ金額を出すのなら、NC750Xにパニアケースをつけたものを私なら購入するだろうなぁ。

が、それでも、一度は跨がってみたいバイクであることは間違いない。