2014年3月19日水曜日

SUZUKI Bandit 1250S 青海島ツー まる天うどんを食らう...またもやトラブル その2


バイクは、完全に横倒しで、タイヤが宙に浮いている状態だ。ただ、エンジンガードが出っ張っているおかげで、タイヤを地面につけるところまでは起こせるのだが、そこからはいくら力いっぱい引き上げても全く動かなかった。テコの応用で何か棒でもないかと探したが、腐った棒しかなくてとても250Kgもある車体を持ち上げられるようなものはなかった。

ガソリンは気化したのか臭わなくなった。

いろいろ試していると、車体をエンジンガードを中心にして回転させる事は可能だと分かった。車体を坂の上側に持ってこれれば、引き起こしやすくなるのではないかと考えた。しかし、回転させるのも相当に重いくて大変だった。マフラーやタンデムステップ、ウインカー、グリップエンドなどががりがりとこすれる音がした。もう、そんなことは構ってられなかった。

汗が噴き出していた。

なんとか回転させることができた。

ライトが付きっぱなしな事に気が付いてイグニッションをOFFにした。

かなり持ち上がりやすくなったはずだが、タイヤを接地させるところまでは楽になったが、それ以後車体は全く起き上がろうとする気配さえない。

サイドスタンドに足を乗せ、フレームに手をかけて、足を後ろに振って、勢いで起こそうとしたが、全くびくともしない。勢い余って、ガチャンと倒してしまう。しかし、もしもこの方法で起き上がったとしても、かなりの勢いがあるので、下手するとバイクが自分に覆いかぶさってさらに危険だったかもしれない。そこそこの坂なのだ。

ひざ下や、手、肘、肩も痛くなってきた。もう、限界だ。歩いて下に降りて、だれか助けを呼びに行こうと考えた。しかし、それもだいぶ距離がある感じだ。どれほど登ってきたのかよくわからなくなっていた。

回りは、鳥のさえずりしか聞こえてこない。


しばし、座り込んでしまった。疲れ果てた。汗でシャツがぐっしょりになっている。


やはり、リッターバイクは重い。


不用意に、Uターンしてしまった自分が情けない。

後で考えれば、まずは跨ったままで少しずつ下がって横に向けて、前進で方向を変えるべきだった。

もしくは、サイドスタンドを立ててから、一旦降りて、操作するべきだったかもしれない。

車ならそうしただろう。上り坂なのだからバックするのはとても楽にできただろうに。

10分ほどぼっとしていた。降りて誰かを呼びに行くにしても、もう一度だけやってみようと言う気になった。

そして、じっくりと腰を下げて、車体のフレームや、パニアケース用のフレームに手をかけて、ゆっくりと力をあげて行った。息を止めて力いっぱい力んだ。顔がパンパンになり血管が浮き出てくるのが自分でもわかった。すると、どうしたことが、いままで全く動かなかった車体がゆっくりと、起き上がってきたのだ。

奇跡的に、車体を起こすことに成功した。ふらふらしながら、サイドスタンドで車体を支えて力を抜いた。へなへなと座り込んでしまった。

 ちょっと見てみると、ウインカーは車体を回転させた際に引きずられて逆向きになっていた。取り付け部分がぐにゃぐにゃになっていて傷だらけだ。なんとか回して前を向くようにはできたが。ぶらぶら状態だ。

 マフラーも、こすったためにひどく傷が付いてしまった。しかし、大きく凹むこともなく思ったよりは軽傷だった。

 グリップエンドもひん曲がり、ブレーキレバーも折れていたが、なんとか操作は可能だった。

脱いでいたジャンパーをちゃんと着て、ヘルメットもしてふらふらしながら、エンジンをかけようとしたが、全くセルが回らない。KILLスイッチはちゃんとOFFになっている。メーターには、「CHEC」の文字が出たままだ。

何がだめなのか、落ち着け落ち着け...よくメータを見るとニュートラルランプが付いていない。坂で斜めなのでサイドスタンドを外すのは躊躇われる。

ギヤをなんとか踏みつけてローに入れ、それから慎重に一つ上げてニュートラルに入れて、再度エンジンをかけたところ、問題なくかかった。

レバーの折れたブレーキをぎゅーっと握りしめて、バイクにまたがり、坂を慎重に下った。思った以上に急な坂だった。

下の道路にでた。ギヤをシフトアップしながら走り出した。コーナーも普通に曲がれる。別段車体には問題ないようだ。安心した。

仙崎漁港を通り過ぎて、191号線に出た。

このまま191号線を走って帰るつもりだったが、なぜかナビが曲がれと言う。そういえば、設定を最短距離に設定していた。

が、途中で道が分からなくなった。どうも、ナビの地図と実際の道が合わないようで、リルートを繰り返している。そのうちに、なんだか狭い山道の様な感じの道に入り込んでしまった。

 砂利道はあるし、崖から流れた清水でびしょびしょの道ありと、本当にこのまま走って大丈夫かと思えてきた。Uターンしたいが、道の幅が狭すぎる。右側は崖で川が流れている。

結局、行き止まりとなってしまった。ただ、そこが広場になっていたので、なんとかUターンすることができた。もう、転倒したくなかったので慎重に行った。

 元の道に出て、別の方向に走っていると、みのりロードに出てこれた。先日も走った広域農道だ。

 また、191号線に出た。もう、ナビのいう事は聞かずに、このまま素直に191号線で帰ることにした。
 途中でセブンイレブンがあったので寄った。だいぶ走っていたのだ。

 また、100円コーヒーを頼んだ。

うどんが少なかったので、小腹も空いていたので、チキンも購入した。以前は105円だった気がしたが、120円だった。でも、120円でも十分に低価格だ。

そして、明るいうちに帰宅することができた。帰宅前にガソリンを給油した。今まで最高の20.2km/lを記録した。だが、他のリッターバイク乗りに聞くと普通に20km/l行くと言うので、私のBandit 1250Sはエコランしてやっと20km/lだから、元々燃費が良くないのだろう。こうガソリンが高くなってくると、燃費もバイクの性能のうちになってくる。

その点SRV250は、30km/l程度行くのでかなりいい燃費だ。一般道路の走行では、我慢ならないほど遅いと言うわけでもないし、低排気量の割には低速が効くのでシフト回数もBandit 1250S程ではないが、少なめだ。Bandit 250に比べると相当に少なくて走りやすい。

が、追い越しするのはかなり大変ではある。前もってシフトダウンして回転数をかなり上げておく必要がある。それに、常時振動もある。

SRV250の最大の利点は、その軽さと、燃費の良さだろう。エンジンをガンガン回しても燃費にはそれほど影響しないし。もちろんエンジンをガンガン回して楽しいバイクでは無いが。

この2台の組み合わせはなかなかいいのだろう。しかし、できるなら1台に集約したいところだ。保険や、消耗品代など倍かかるのだから。


帰宅して、バイクを見ると、帰りの山道で川状態に水浸しになったところもあったので、だいぶ汚れていた。すこし綺麗にした。

右のウインカーが垂れ下がっている。

なんとか、ゴムブーツ状になった部分を引き出して、正しく装着した。

一応何とかなった。ウインカーは、とりあえずこのまま使用できるだろう。

ただ、ウインカーケースにひびが入って割れているので、雨中走行では雨水が侵入する可能性がある。対策を考えなくては。

サイレンサーは、絞られているところのベルト状のカバーが一部切れている。とりあえず、問題なく使えそうだ。磨いたらそう目立たない感じにはなった。

右のエンジンガード。本当に付いていて助かった。これがあったおかげで、なんとか起こすことができたのだ。そして、傷も最小で済んだのだ。しかし、エンジンガード自体はささくれ立ってひどく表面が傷ついている。見栄えは良くないが。まあしゃがまないと見えないところだし。

タンデムステップもがりがり音がしていた割には、傷は大したことがなかった。

グリップを外そうとしたが、固着して外れない。どうしたものか。今日はもう、手の力が出なくてこれ以上の作業はできそうもない。レバーとグリップエンドを注文して、次週以降になんとかしよう。

ここ最近、どうも不運続きだ。だんだんとバイクに乗るのが億劫になってきた。こうしてバイクを降りる人もいるのかもしれない。

が、また来週天気が良ければ走り出すのだろう。

後日談だが、土産の鯖の一夜干しを食べた。
 半身だが、

とにかく、脂がのってたいそううまかった。転倒の心の傷も少しは癒えた。