2012年10月9日火曜日

可夢偉はいずこへ

前回のレースで念願の表彰台に上がった可夢偉だが、まだ来季の所属ははっきりしていない。

ザウバーというチームは、過去に新人を採用すると、上位チームがそのドライバーを受け入れて大成するということが多い。キミ・ライコネン、フェリペ・マッサ、ロバート・クビサなどが在籍していたことがある。

ザウバーのCEOであるモニシャ・カルテンボーンは、「今回の可夢偉の成績が来季のチーム編成に影響を与えることはない。」と言っている。そして「可夢偉の実力はわかっているので、表彰台に立つことでそれを証明する必要はない。」とも言っている。これらの事から、彼女の苦悩が読み取れる気がする。

現在のチームスポンサーのほとんどは、チームメイトのペレスが持ち込んだものと言っていい。NECも入っているが、これは、メキシコのNECがスポンサーになっている。そのペレスが来季マクラーレンに行くことになったため、すべてのスポンサーが撤退しないにしても資金的には、苦しくなるだろう。チームとしては、どうしても資金面でいわゆるペイドライバーが必要になる。

しかも、なるべくなら給与の安いドライバーがよいだろう。可夢偉が成績を上げればあげるほど、給与の面で考慮しないわけにはいかない。チームの強さという点では、可夢偉が一番の候補であるのは間違いないが、資金面では、一番とはいかないのが現実なのだ。

そして、モニシャも、ペレスのようにどこか上位のチームが可夢偉を受け入れてくれることを望んでいるに違いない。その為にも可夢偉がまだオープンであることをことさら強調しなくてはならなかったのではないか。

これらの事が正しいとするなら、可夢偉がスポンサーを持ち込むことができないのであれば、可夢偉のザウバーでの来季のシートは危ういと言わざるおえない。

可夢偉が、ザウバーに残留するにしても、他のチームに移るにしても、F1ドライバーとして続けていくには、スポンサーは絶対に必要なのだ。

そのためには、ただ速いドライバーだけではだめで、日ごろの行いや、言動など、自分の価値を高める努力をすべきだろう。付き合う人もしかりだ。例えば、トヨタが可夢偉を車のCMに使えるかというと、彼の現在のキャラではひどく難しい気がする。可夢偉が日本語でしゃべるときに、まとまりが悪く、適当な事を言ってしまうように見えるのは、彼が日ごろ英語を主に使っていて、日本語をしゃべるのが難しくなっているのではないかと、表彰台での彼のスピーチを聞いて思ってしまった。英語ではすらすらと言葉が出てきているように見えるのに、日本語になったとたんに「えーと」などと言葉が出にくくなったように見えた。

ただ、日本でのF1の露出度という意味では、フジテレビの責任は大きい。しかし、それも、スポンサーの少なさが原因の一つではあろう。日本GPにも関わらずBSフジでの生放送がないという情けない状況だ。スポンサーとして金を出さないまでも、生中継をBSフジでやることがそんなに難しかったのだろうか。

とにかく、日本企業に限らず、ワールドワイドで可夢偉のスポンサーが出てくることを望むばかりだ。