2011年7月25日月曜日

インディカー 2011 第10戦 エドモントン 佐藤琢磨ポールポジションも決勝では周回遅れ

オーバルの第8戦~アイオワ~で、日本人初のポールポジションを取った琢磨だったが、ストリートコースの第10戦~エドモントン~でも再びポールポジションを取るという快挙を成し遂げた。

決勝では、スタートはうまくいった。1周目に最後尾付近でクラッシュがあり、イエローとなったが、それからは波乱のない静かなレースとなった。しかし、19周まで先頭を走行していた琢磨がちょっとしたミスでリアを滑らせたのを見た2位のウィルパワーが琢磨をオーバーテイク。さらに、3位のディクソン、4位のフランキッティにも抜かれて琢磨は4位まで後退した。

次にレースが動いたのは25周目。シルビアが無理な追い越しでタイヤバリアに入り込み、2回目のフルコーションイエローとなった。元々28周からガソリン給油のタイミングだったこともあり、ほとんどのドライバーがビットに給油の為に飛び込んだ。琢磨のKVレーシングは、少々給油に手間取り1つ落ちて5位に後退。しかし、イエロー開けのリスタートでは、鋭いスタートを見せてウィルパーに次ぐ2位となった。その後、チームメイトのEJ・ビソが、1コーナーのヘアピンカーブで、フランキッティに追突して、エンジンストップしてコース上にストップ。追突されたフランキッティはラジエターを壊してピットストップ。フランキッティの優勝の目は完全にたたれたが、チームは修理して復帰させようとしている。また、このトラブルの時に後続にいたディクソンは、追突したEJ・ビソがエンジンストップしてしまったために行き場を失いかなり順位を落とした。最初先頭集団を形成していた4人のうち2人が脱落していった。EJ・ビソはエンジンリスタートしたが、周回遅れとなった。

調子よく2位を走っていた琢磨だったが39週目、3位のハンターレイが距離を詰めてきてEJ・ビソが追突した1コーナーのヘアピンで琢磨に追突、琢磨はほぼ180度回って止まってしまう。次々と後続に抜かれ、エンジンをかけてもらえなかったために周回遅れとなり、今日のレースは事実上終わってしまった。


追突したハンターレイは、ピットスルーペナルティを受けたが、周回遅れとなった琢磨には何も恩恵が無かった。通常コース上に車がストップした場合には、フルコーションイエローとなるのだが、なぜか今回はローカルイエローで終わってしまい、まずは琢磨の車をコース上から脇にどかす事が優先されてしまったために、周回遅れとなってしまった。これで、同じ周回遅れのチームメイトEJ・ビソの後ろになった。

前回同様に、琢磨は最後まで走りきり、周回遅れのまま第21位でチェッカーを受けた。もう一人のチームメイトトニー・カナーンが4位に入った。

第8戦のアイオアでもかなり良いところまで行って、最後のピットストップ後にクラッシュしてしまったが、一発は早くなってきたものの、決勝ではトラブルやリタイヤが続いている。しかし、琢磨のスキルは明らかに上がってきている。特に、チームであるKVレーシングに優勝経験者のトニー・カナーンが入ってきたのは大きい。すべてのチームが同じエンジンで同じシャーシなので、ここではチームとドライバーの実力が試されるのだ。実際今回11位スタートのカナーンは、第8戦同様に、上位に食い込み4位表彰台を得ている。琢磨のロングドライビンクでの完成度が期待される。でも、なんとなく今年の流れを見ると、今期中には表彰台に上がれるのではないかという期待は持てる気がする。

因みに来年度からは、シャーシが変わり、エンジンも現在のホンダのワンメイクではなく複数のエンジンサプライヤーから供給される。さらに、F1同様にタイヤもブリジストンが撤退して別のメーカーに変わることになっている。